第二章
[8]前話
「本当に」
「何かしたの?私に」
「デブとか言ってな」
「あっ、言ったの中川君だったの」
希子は言われて思い出した。
「そうだったの」
「忘れてたんだ」
「誰かに言われたことは覚えてるけれど」
そして今も肥満には気を付けているがだ。
「中川君が言ったの」
「そうなんだよ、御免な」
「いいわよ、子供の頃のことだから」
希子は本当にどうでもいいと思いつつ答えた。
「そのお陰で私今も運動してすらりとしてるし」
「そうなんだ、けれどそう言った俺が」
中川は自分のことも話した。
「お腹が出て」
「太ったっていうの」
「ああ、そうなったな」
「そうなのね、まあそれ言ったら」
希子も自分のことを話した。
「私も白髪出たし」
「そうなんだ」
「四十代になるとね」
人はというのだ。
「何かあるわね」
「太ったりか」
「髪の毛が白くなったりね」
「禿げたり身体壊したりな」
「なるわね、けれど私これからもね」
希子は自分のことをさらに話した。
「水泳続けて食べるものには気を付けて」
「スタイル維持するんだな」
「そうしていくわ」
「頑張れよ」
「ええ、そうしていくわ」
笑顔で言った、同窓会は彼だけでなく他の懐かしい面々と再会し話もして楽しいものになった。この話を今も付き合いのある秋穂に話すと。
秋穂は笑ってだ、希子に言った。
「私も歯が抜けたし」
「そうなの」
「ええ、この前ね」
「歳ってことね」
「歳取るとね」
「何かあるわね」
「その人みたいに太ったり」
中川のことを話したのでこう返された。
「白髪になったり抜けたり」
「歯だってそうなるわね」
「子供の頃言われたことも」
このこともというのだ。
「皆そうなるし。人間わからないわね」
「歳を取るとね、私もスタイルはそのままでも」
「白髪出てるし」
「髪の毛もツヤがなくなったし」
「色々あるわね」
「そうなったら」
それこそというのだ。
「身体のことはね」
「言えないわね」
「子供だから言うのね、けれどそこから水泳して食べものも気を付けて」
そうなってというのだ。
「今も痩せていて健康だし」
「言われてよかった」
「今はそう思うわ」
秋穂に笑顔で話した、そしてこの日も泳ぐのだった。
太っていると言われて 完
2025・4・17
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