トラウマ
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ほほ笑んだ。
「じゃあ行くよ可奈美ちゃんッ!」
響はそう告げ、首から下げられた赤いペンダントを手にする。
ペンダントは陽の光を反射し、黄色の光を放つ。
そして。
『Ballwisyall Nescell gungnir tron』
響の口から唄が流れる。
すると黄色の光がペンダントから溢れ出し、響の体を包み込んでいく。その中では、響が演舞をしていくごとに、全身に黄色の武装が装着されていく。
白いマフラーが首に巻かれ、シンフォギアと呼ばれる鎧をまとった響が、光の中より登場した。
シンフォギア、ガングニール。
そんな彼女の力に関する専門用語がすぐさま出てくるほど、可奈美は何度も響の力を知り尽くしている。
「よし……じゃあわたしも!」
友奈は意気込み、スマホを掲げる。
すると、周囲に桃色の花びらが舞い踊る。
それは、次々に友奈の体に定着していく。桃色は色濃く重なり、白となる。
勇者。
友奈の戦闘形態として、何度も可奈美の助けになってくれた姿だ。
可奈美は響、友奈へ千鳥を向けながら、不敵な笑みを浮かべた。
「じゃあ、手加減なしでお願い!」
「オッケーッ! 行くよ、可奈美ちゃんッ!」
まず動くのは、響。
その卓越した体術が可奈美を狙う。
が、可奈美の目は、響の動きをしっかりと捉え、受け流していく。
「やあああっ!」
そして反撃にと、可奈美の千鳥が、素早く薙ぐ。
響はしゃがんでそれを避け、蹴りで応戦。
可奈美はその蹴りも回避し、続く響の殴打も平手で受け止める。
「いい動きだよ!」
響はにっと笑みを見せる。
可奈美は短く「ありがとう!」と礼をいい、千鳥で反撃した。
響は背中を反らして千鳥を回避し、そのままバク転で可奈美から距離を取った。
「次はわたしだよ!」
入れ替わりに躍りかかってくる友奈。
彼女の卓越した体術に対し、可奈美は剣術で応戦。
可奈美の目は、常に相手の動きを見て、避けるための指令を脳に送っている。
全てを避け切り、平手で友奈の拳を右下へ反らす。振るった剣は、友奈が手首を受け止め、互いの攻撃を受け止め、顔も目と鼻の先に接近しながら、友奈は笑みを浮かべた。
「結構大丈夫そうだね!」
「うん……! これなら、全然戦えるよ!」
可奈美が返事をすると同時に、可奈美と友奈は互いに離れた。
「よし! じゃあ、友奈ちゃん、響ちゃん! 二人同時に来て!」
「了解ッ!」
響と友奈は、同時に可奈美へ迫ってくる。
それぞれ、きっと優れた師より技術を学んできたのだろう。
写シの可奈美は、全力で二人の動きを目で捉えていく。
「よく見る、よく聞く、よく感じ取る!」
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