暁 〜小説投稿サイト〜
ニンジャ・イン・ザ・ファンタジーY
白き極光編
序章
オーロラ・イン・ザ・スチームシティ
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ッ!」

「グワーッ!」

 落下してくるスノーモービルを側転でかわしたダイヤモンドダストだったが、着地と同時に投げられたスリケンが右脚へ刺さった。
 コールドホワイトの白装束は、街灯に照らされオーロラめいた輝きを放っている。

「おのれ! オーロラ・ニンジャクランなど、コリ・ニンジャクランの分派でしかない分際で! 本物の雪のイクサを見せてくれるわ!」

 言うなりダイヤモンドダストは脚の傷を氷で塞ぎながら、再度氷スリケンを生成する。
 しかし、今度のそれは手の中ではなく、ダイヤモンドダストの周囲に次々と生み出されて浮遊する!
 コリ・ニンジャクランの者が扱う、サイキックとの併せ技だ!

「イヤーッ! イヤーッ! イヤーッ!」

 なんたる物量と連射速度か!
 さしもの魔導強化スキー板とて防ぎきれぬ!
 状況判断したコールドホワイトは、その場でドリフトし、加速して別の屋根へと飛び移る!
 無理をして真っ向から戦う必要は無い。
 ウェッジ達が幻獣へ辿り着き、回収するまでこのニンジャを釘付けにしておけば良いのだ。

「イヤーッ!」

 絶え間無く飛来する氷スリケンを自慢のハンドル捌きで避けながら、時折スリケンを投擲して反撃する。
 機関砲めいて弾幕を張る氷スリケンによって容易く粉砕されてしまうが、こちらへ注意を向けておけば目的は達成される。
 その時だった。
 コールドホワイトとダイヤモンドダスト、両者を同時に悪寒が襲った。
 ただならぬアトモスフィアの発信元は炭鉱方面。

「なんだ…? 今のは…?」

 ダイヤモンドダストは思わず氷スリケンの投擲を停止してそちらを見やる。
 コールドホワイトもまた、一瞬だけ意識がそちらへと向くが、ニンジャのイクサにおいてはその一瞬の差が勝敗を分かつ。

「っ! イヤーッ!」

 コールドホワイトのスリケンが、ダイヤモンドダストの両脚へと突き刺さった。

「グワーッ!」

 その隙は見逃さない。
 エンジンを最大まで唸らせ、屋根から屋根へ飛び移ってダイヤモンドダストへ迫る。
 アキレス腱を断裂して座り込んだダイヤモンドダストは氷スリケンでの迎撃を図る。

「オーロラ・スクリーン・ジツ! イヤーッ!」

「グワーッ!?」

 コールドホワイトの装束が一際強烈なオーロラ色の光を放ち、ダイヤモンドダストの視界を包む。
 距離感、方向感覚、共にあやふや、迫るコールドホワイトのシルエットは朧に波打つ上に幾つにも分身して見え、ダイヤモンドダストは闇雲に氷スリケンを投げまくる。
 そして。

「グワーッ!!」

 大質量に撥ねられ、ダイヤモンドダストの身体は宙を舞う。
 その後を追うように、コールドホワイトは愛機のボディを蹴って跳躍し
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