白き極光編
序章
オーロラ・イン・ザ・スチームシティ
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ビルの男を見る。
対するスノーモービルも別の家の屋根の上に着他し、視線を交わした。
そして。
「ドーモ、はじめまして。コールドホワイトです」
開いた左手に、カタナを逆手に握った右手の拳を合わせてオジギをした。
「ドーモ、コールドホワイト=サン。ダイヤモンドダストです」
遠距離攻撃をした側もそれに応じ、両手を合わせ、指先を揃えてオジギを返した。
それは何も知らぬ者からすれば、とても戦闘中に行うような行動には見えないかもしれない。
だが、彼らにとって、このアイサツという礼儀作法は、決して疎かにしてはならない、厳粛な儀式めいた本能なのである。
そう、彼らニンジャにとっては!
「…貴様…コールドホワイト=サンだと…?」
先にアイサツの構えを解いたのはダイヤモンドダスト!
「聞き覚えのある名だ…ドサンコ・ウェイストランドのサンシタがこんな所になんの用だ」
相手の挑発を聞きながら、コールドホワイトはゆっくりとアイサツを解き、鼻を鳴らした。
「コリ・ニンジャクランの一番槍とも呼ばれたニンジャにお会い出来るとは光栄な。ハッ、そちらこそこんな所でせっせと雪遊びですかな?」
両者は直感的に悟った。相手もまた自分同様、この未知の世界で生き延びる為に傭兵ニンジャとなったのだと。
2人のニンジャは、互いの隙を窺うかのように睨み合う。
「お前達は炭鉱へ向かえ。ニンジャのイクサにその鈍重な鎧は付いて来れん」
コールドホワイトは背を向けたままウェッジ達へ告げる。
ウェッジとビックスは顔を見合わせて頷くと、再び少女を先頭にして前進を始めた。
「イヤーッ!」
ダイヤモンドダストはシャウトを発し、一瞬にして両手に雪の結晶を作り出して彼らの背中へ向けて投擲した。
大気中の冷気を圧縮した、氷スリケンだ!
「イヤーッ!」
コールドホワイトも負けじと両手に十文字の黒い鉄塊を生成して投げつけ、相殺を試みる。
ニンジャがイクサに用いる飛び道具、スリケンだ!
ギザギザが多く鋭利な氷スリケンは、通常のスリケンを凌駕する威力を誇るが、連続スリケン衝突を受けて勢いを殺され、離れ行くウェッジ達には届かなかった。
「チィーッ!」
「イヤーッ!」
舌打ちするダイヤモンドダストへ、スノーモービルを駆るコールドホワイトが飛び掛かる。
「ナメるな! イヤーッ! イヤーッ!」
ダイヤモンドダストは両手から4枚の氷スリケンを投擲する。
しかし、暴れ馬めいた馬力のモンスターマシンを巧みに操るコールドホワイトは、まるでウィリーをするかのようにモービル底面を相手に向けると、取り付けられた魔導強化スキー板で氷スリケンを弾いた。ワザマエ!
「イヤー
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