白き極光編
序章
オーロラ・イン・ザ・スチームシティ
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ド部隊を抱えている。この娘を先頭にして突っ込むぞ」
ウェッジの指示に従い、少女の魔導アーマーが前衛へと出る。
「目標の幻獣は炭鉱の奥だ! 行くぞ!」
いよいよ街中へと突入が始まった。
さすがに異変を察知したガード達が、詰所から出動し、彼らを迎え撃った。
クリーム色の布装束の下には、軽装ながら黒い甲冑を身に付け、丸盾と小型の鎌、中にはマスケット銃で武装している者もいる。
「帝国の魔導アーマー!? とうとうこのナルシェにまで!」
数人が盾を構えて突進したが、魔導アーマーの胴体から照射された赤い光線に飲まれ、その身体が燃え上がった。
「ギャアァァァーーーッッッ!!?」
「くそっ! 乗ってる奴を狙え! 動かす人間がいなければ鉄屑だ!」
銃を持ったガード達が一斉に狙いを定める。
引き金に掛けた指に力が込められた、まさにその瞬間、前進する魔導アーマーの間を縫って、スノーモービルが前へ出た。
「イヤーッ!」
シャウトと共に逆手に構えたカタナを振るうと、一瞬にしてガード3人の首が宙を舞った。
「ヒィッ!? な、何」
「イヤーッ!」
目の前に落ちた仲間の首に驚いたガードもまた、白い風が通り過ぎると共に同じ運命を辿った。
次いで男はスノーモービルは走らせたままにハンドルを放して跳躍すると、櫓の上で銃を構えていたガードと目線を合わせた。
「え?」
家の屋根よりも高い位置にいる自分と、何故敵の目線の高さが同じなのか?
「イヤーッ!」
そんな事を考えた次の瞬間には、櫓の縁に手を掛けた男の飛び蹴りで首が切断されていた。
彼はそのままの勢いで櫓の反対側から飛び降りると、走ってきたスノーモービルの運転席に収まった。
「速い…」
ビックスが唸る。ウェッジも同様だ。
「実力は本物か…!」
思わず感嘆の声を漏らしたのも束の間、スノーモービルが突如反転し、ウェッジへ向かってきた。
「な、なんだ!?」
「頭を下げろ! 死ぬぞ!」
ウェッジは反射的に操縦席の中で身を縮こませる。
男は近くのコンテナに器用に乗り上げると、ウェッジの頭上を飛び越してカタナを振るった。
「イヤーッ!」
その刃は、彼方から飛来した何かを切断していた。
「!? こ、これは…!?」
操縦席の中に落ちてきたそれは、雪の結晶を半分にカットしたような形状の、薄く鋭利な氷の塊だ。
「ウェッジ! あそこだ!」
ビックスが指差した先。
そこには、家の屋根の上に立つ白装束がいた。
スノーモービルの男よりも薄い布の装束であり、細身だ。
「………」
遠距離攻撃を防がれた白装束は、目を細めてスノーモー
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