第二章
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キッチンで数種類の茸のソテーと人参と玉葱のスープ、ハンバーグを食べた。その後は後片付けだったが二人一緒に行い。
真子は彼にだ、こう言った。
「ねえ伴典さん」
「何かな」
「お風呂一緒に入る?」
「夫婦だからだね」
「ええ、そうしない?」
「いつも通りだね」
「そう、いつも通りね」
夫である彼に笑顔で提案した。
「そうしない?」
「いいよ、じゃあね」
「一緒にね」
笑顔で話して実際に一緒に入った、浴室の中でまずはそうしたことを行い同じ湯舟に向かい合って入った。そこで彼女は夫にこんなことを言った。長い髪の毛は洗った後で後ろで上に上げてまとめている。
「私が高校の時にお見合いして」
「大学生だった僕と」
「親同士のお話でね」
「そうしてね」
「それで私が卒業したら同時に結婚して」
「一緒に暮らしているけれど」
「私外じゃ喋らないのよ」
こう夫に言った。
「本当にね。どうしてもそうしたことや表情がオフになって」
「それでだね」
「ついそうなるのよ」
「けれどお家ではだね」
「こうなの。実家でもそうだったし」
「内ではだね」
「そうなるの。そのせいでお人形みたいって言われてるけれど」
その自覚はあった。
「そうなのよ」
「どうしてもだね」
「そうだね」
「ええ、そしてね」
そうであってというのだ。
「お家ではこうだから」
「その真子ちゃんとだね」
「一緒にいてくれるかしら」
「勿論だよ、お見合いした時から全部が好きだから」
夫は妻に笑顔で答えた。
「だからね」
「一緒になのね」
「いよう、じゃあベッドでもね」
「一緒ね」
「ずっとね」
湯舟の中で向かい合って話した、そしてだった。
風呂から出るとその後はベッドで一緒に寝た、真子は家ではこうであった。
やがて大学を卒業して一般企業に就職したがそこでも無表情で無口だった。だが息子が出来ると彼といつも一緒にいる様になり。
彼に話しかけているうちに外でも普通に顔や表情が出る様になった、そうしてかつてそうであったことは誰も信じられないと言った。以前はクールであったと。
クール系店員の素顔 完
2025・4・16
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