第一章
[2]次話
クール系店員の素顔
人気ケーキ屋の店員である千賀真子は人形の様だと言われている、細面できらきらした黒目がちの二重の目に赤い奇麗な唇にきめ細かな白い肌に黒いふわふわとした豊かな長い髪の毛を持っている。背は一五八程でスタイルもいい。
美人で評判である、だが接客はまともでもクールで無表情な感じである。
「笑わないよな、あの娘」
「本当に人形みたいだな」
「滅茶苦茶奇麗だけれど」
「無表情でな」
「素っ気ないな」
「クール過ぎるな」
「近寄りにくいよ」
客達は美人であることは認めてもこう言った、そして同僚達もピンクハウスを思わせる可愛い店の服が似合う彼女のことを話した、尚制服は丈の長いスカートで男性社員はタキシードの様な恰好いいものだ。
「奇麗でね」
「真面目でミスもなくて」
「意地悪もしなくて」
「公平だけれど」
「お話しないし」
自分達と、というのだ。
「お誘いかけたら付き合ってくれるけれど」
「そこでも無表情で無口で」
「お人形さんみたいで」
「いてくれたら奇麗で華があるけれど」
「やっぱりクールなのよね」
店員達、女子の彼女達はこう言い男子の彼等も同じ評価だった。兎角真子は無表情で無口だと評判であった、そして。
店の外のことは誰も知らなかった、大学生だと聞いているが。
「大学でもああらしいし」
「無表情で無口で」
「奇麗だけれどお話しない」
「じゃあプライベートでも?」
「あんな感じ?」
「お話しない?」
「表情ないの?」
誰も彼女のプライベートを想像出来なかった、だが知っている者はいた。
真子は自分のアパートに帰った、すると。
すぐに服を脱いで下着、白のブラとショーツだけになった。そのうえでエプロンだけ着けてキッチンで帰る途中にスーパーで買った食材で料理を作ってだった。
部屋のチャイムが鳴るとだ、入って来た一七四位の背の痩せたスーツを着て眼鏡をかけた黒いオールバックの男性に駆け寄って抱き締めて言った。
「おかえりなさい、あなた」
「只今、真子ちゃん」
男性も笑顔で応えた。
「元気だった?」
「凄くね」
彼を抱き締めて耳元で話した。
「それで晩ご飯作ったから」
「そうなんだ、大学はどうだったかな」
「楽しかったわ」
「アルバイトもかな」
「ええ、ちゃんと出来たわ」
「よかった、じゃあ食べようか」
「一緒にね」
こう話してだった。
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