第二章
[8]前話
今泉は自転車部での活動をはじめた、部活の支給品の自転車は確かに自動車より遥かに安いがそれでもだった。
普通の自転車より高く彼も乗る時も整備の時も気を使った、そして。
自分の自転車を買おうと思ってもだった。
「高校生ではです」
「買えないな」
「無理ですね」
部室で宇都宮に話した。
「これは」
「兎に角高いからな」
「そうですね」
「普通に買うにしてもな」
「高いですから」
「そうは買えないんだ」
「自転車もお金がかかりますね」
宇都宮にぼやく様に言った。
「本当に」
「趣味、スポーツの世界だからな」
「それで、ですか」
「どうしてもな」
これがというのだ。
「お金がかかるんだ」
「趣味は凝るので」
「そうだ、だからな」
それでというのだ。
「こうしたことも頭に入れてな」
「やっていくことですね」
「お金のこともな」
「そういうことですね」
「だから部活でもな」
「ええ、自転車は大事に」
「高いからな、部費から買ってるんだ」
その自転車達をというのだ。
「部費がないと部活も出来ない」
「現実そうですね」
「だからいいな」
「はい、何でも大事にしていきます」
今泉は答えた、このことは部活だけでなく生活全体に及び。
彼はものを大事にする様になった、それは高校を卒業し社会人になってからもだった、どんなものでも大事にした。それを教わった部活と宇都宮にはずっと感謝しつつ。
ロードバイクの値段 完
2025・4・15
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