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ロードバイクの値段
第一章

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                ロードバイクの値段
 高校の自転車部に入ってだった、今泉博満四角い顔で小さな目と分厚い唇を持つ黒髪をスポーツ刈りにした一七一位の背で痩せた彼は仰天した。
「こんなに高いんですか、ロードバイクって」
「いいものはな」
 部長の宇都宮盛綱長身で引き締まった身体にきりっとした細面でアーミーカットの黒髪の彼は笑顔で答えた。
「自動車位するな」
「そうですね」
 カタログのそれを見るとそうだった。
「凄いですね」
「自転車だからと思ったな」
「はい」
 今泉は宇都宮に答えた。
「あまりです」
「普通の自転車じゃないからな」
「ロードバイクは」
「職人さんが手作りだったりするんだ」
「それで競技にも使うので」
「だからな」
 そうであるからだというのだ。
「ここまで高いんだ」
「そうなんですね」
「そしてだ」
 宇都宮はさらに話した。
「うちの自転車もな」
「高いですか」
「それなりにな」
 そうだというのだ。
「流石に自動車程じゃないけれどな」
「高いんですね」
「普通のものよりもな」
「そうなんですね」
「だから気を付けてな」 
 そうしてというのだ。
「乗って整備もだ」
「していくんですね」
「乗るだけじゃないんだ」
 宇都宮は強い声で語った。
「自転車部は」
「整備もですか」
「活動の一つだ」
 そうだというのだ。
「高いということも頭に入れてな」
「やっていくんですね」
「そうだ、いいな」
「わかりました」
 宇都宮の言葉に頷いてだった。
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