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だからってなんだよー 私は負けない
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 最初に出てきたのは、サクラマスのお刺身に黄身ソースを添えたもの。ガラスの小鉢で、その下の白いお皿には、私が送った山桃の葉と実が飾られていた。

「うわー 口の中でまとわりついてくるようなまろやかさ おいしぃー」と、私は嘘ではないけど、少し大げさに口に出していた。お母さんにも注意されていたからー

「すぐり あのね もう少し 声を押さえてね 他の方も居られるんだからー」

 オードブルは野菜をアレンジしていて、赤かぶらとか生こんにゃくなんかもあって、私は感激していた。そして、真ん中に生クリームがのったポタージュが出てきた時には、本当に感動して

「おいしぃ〜ぃ このくるみの香りとなめらかなの このプチプチとした感じもたまらない これっ! だぁーい好き! おいしいわぁー ねぇ お母さん」

「しぃっ・・・お客様 お静かにね」

 次は、穴子の白焼きに安曇野の山葵が添えてあって、端のほうに青いもみじの葉が飾られていた。それも香ばしくて脂も乗っていて、わさびの香りもたまらなかった。ソルベにとりんごの赤ワイン漬けと・・・だけど、私のにはぶどう汁で漬けたものだと説明されたのだ。これも冷たくてシャリシャリとした感じで、口当たりもいいのだ。メインディシュの香草焼きにベイクドポテトが出てきた時には、ガラスのお皿の下の白いお皿との間にはナナカマドとグミの赤い実が・・・。私の送ったものをいろいろと使ってくれていたのだ。チーズケーキのデザートとコーヒーを楽しんでいると、シェフがやって来て

「如何でしたでしょうか こんな山ん中の料理ですが」と、向かいの椅子に座り込んできた。

「ええ とっても・・・ 私 初めて食べるもの初めてのお味ばっかりで おいしかったです。感動しました。それに (愛の山)のものを使ってくださってて 感激です」

「うん 最近は、この辺りも自由にああいうものを採れないんで、すぐりさんとこのもの助かってるんだ。それに、丁寧に選んでくれているんだろうな きれいで安心して使える。お客様の中にも持って帰る人も多いんだよ」

「そうなんですか 私 お料理に添えるものだからと、仕事の仲間にも慎重に洗浄して、選別するように言ってるんです」

「そうか 気を使ってくれているんだね その山は、誰かの山に許可をもらっているの?」

「いいえ 私の山なんです 80haほどなんですけど いろんな樹があるんですよー」

「えっ すぐりさんの・・・ 驚いた! (愛の山)のHPを拝見すると、料理の写真も載ってましたね ワンプレートなんですが、いろんな料理がコンパクトに詰められていて、おいしそうなのが」

「そーなんです あれは (愛の山への誘い)という定食なんです 私の一番のお得意様のレストランのものなんです」

「うーむぅー い
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