第十一話 甲子園球場の特徴その一
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第十一話 甲子園球場の特徴
甲子園球場の一塁側ベンチのすぐ傍で硬球を転がしてみてだった、いぶきは考える顔になって言った。
「ボールの転がり方もね」
「球場によって違う」
メガネが答えた。
「これがな」
「どの球場ごとに違っていてな」
チビも言ってきた。
「甲子園もなんだよな」
「まして甲子園は天然で土だろ」
コースケはこのことを指摘した。
「それなら尚更だな」
「歩いてみても平らにしか思えないけれどな」
カクガリは足元のグラウンドを見て話した。
「そうじゃないんだな」
「そうなのよね、だからね」
しゃがんで白球を転がし続けながらさらにだった、八神は話した。
「よく練習してちゃんとわかっていないと」
「まともな試合は出来ない」
「もうボロ負けしかないな」
「負けるにしてもな」
「ちゃんとした試合じゃないとな」
「その通りだ、甲子園は独特な球場だ」
さくらも言ってきた。
「しかも風も強い」
「普通に髪の毛がたなびくじゃない」
鳳はだからだと言った。
「これでも風弱いのよね」
「うむ、何しろ前は海でだ」
さくらは鳳に甲子園球場の地形的特徴も話した。
「すぐ後ろが山だ」
「神戸がそうでね」
「この西宮もだ」
甲子園球場のあるこの街もというのだ。
「同じだ」
「だから風が強いのね」
「そして暑い」
温度のことも話した。
「この球場はな」
「そもそもお客さんの熱気が凄いのよね」
鈴がこのことを話した。
「甲子園は」
「左様、それこそ上下左右に揺れるまでだ」
甲子園球場での応援はというのだ。
「凄まじい」
「それだけの熱気ならね」
「暑くもなる、風が強く気温も高い」
「それが甲子園球場なのね」
「この球場だ」
「ドームならです」
四谷は冷静に述べた。
「風はなく気温の調整も出来ますが」
「甲子園は屋外の球場だから」
「それで、です」
その為にというのだ。
「風は強く暑いです」
「そうした球場ね」
「何か難儀な球場ね」
鳳はここまで話をしてこう思った。
「甲子園って」
「そうだ、この球場はきわめて個性的な球場だ」
さくらは腕を組んで言い切った。
「しかもマモノもいる」
「ケンタッキーのおっさんもいますよ」
六文が言ってきた。
「しっかりと」
「この球場に棲み付いておるな」
「そして阪神に祟っています」
「我々にはどうかというとな」
「祟ってませんね」
「うむ」
さくらは六文に答えた。
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