信用
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刑人を一人で倒している」
「何ですって……!」
リゲルは驚愕を露わにしている。
鈴音も、口では言わないが明らかに呆然としている。
「刀使を、生身な人間が倒せたんだ。何かしらのカラクリがあるんじゃないかな。マスターだったら、それができるほどの魔力を内包しているとか」
「リゲル、見滝原市役所の市長室の監視カメラの映像を出してください」
「そもそも設置されていないわ」
リゲルが応えると同時に、モニターに無数の監視カメラ映像が表示される。
おそらく見滝原市役所のものだろう。無数の職員が忙しなく動き回っているが、どれも大きな事務所の中であり、役職持ちの部屋には思えない。
「キング・ブラッドレイの行動を分単位でソートしても、特にこれまでの市長と大して行動に変わりはないわね」
「そうか……」
「……でも、その疑念があったのなら、松菜さんならすぐにでも調査できたんじゃないですか? なぜ今まで動かなかったんですか?」
「……可奈美ちゃんが今、戦えない」
ハルトが重々しく答えた。
「戦えない?」
リゲルは可奈美を見つめる。ハルトに向けたものと同じように、分析の視線を放っているのだろう。
「……今の衛藤可奈美に、特に異常は検知できないけど? むしろ、アンタの方が心配よ」
「身体的な問題じゃない」
「……うん」
それ以上は自分で言おうと思ったのだろう。
可奈美は重い口を開いた。
「市長にやられて……」
「それでトラウマ? ……今の貴女なら、あなたを倒せそうだけど……」
リゲルは鈴音へ視線を投げた。
鈴音も驚いたようにカタカタとキーボードを叩く。
「……キング・ブラッドレイ氏にそこまでの剣術を得られた経緯があるとは考えにくいですが……事実、可奈美さんがトラウマになるまで戦えなくなっています。……勘違いだと一笑するのは早計ですね」
「そっちの会社の人か、市長……どっちかが巨人のマスターかもしれないけど、なるべく戦力は充実した状態で事に当たりたい。明日にでもあの巨人がまた出てこないって保障はないけど……」
「そう……」
リゲルは少し考えこみ、指を三本立てた。
「なら、三日あげる。衛藤可奈美、その間にトラウマを払拭しなさい」
「三日……」
「ジャイアントのサーヴァントはあの巨体だけど……おそらく、能力的にはムーンキャンサーの方が上よ。一番の問題は、あの突然現れ突然消える神出鬼没性。貴女の祭祀礼装があれば、十分に渡り合える筈よ」
「う、うん……」
可奈美がぎゅっと拳を握っている。
ハルトは一瞬目を閉じ、「リゲル」と尋ねた。
「リゲルは、聖杯戦争に参加する側だよね。戦って、願いを叶えた
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