信用
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ってはいるけど、細かいことは何も知らないかも」
「確かにね」
表示された見滝原テックのロゴは、確かにどれだけ興味がなかったとしても覚えてしまうものだろう。
そして見滝原北には、大企業や役所が多く配置されている。見滝原テックのほかに地図に映っているものを見ても、見滝原外で有名な会社が敷き詰められていた。
「……!」
そして、見滝原テックからほど近いその施設が目に入り、ハルトの目が大きく見開かれる。
突き刺さっていた視線の先にあるもの。大きな敷地の建物に、二重丸の地図記号が明記されている。
見滝原市役所。
「何か気になるようね、ウィザード」
「……キング・ブラッドレイ……」
ハルトがその名を口にすると、隣で可奈美が息を呑んだ。
「彼について、何か情報はない?」
「? ブラッドレイ市長ですか?」
鈴音は首を傾げる。
すると、鈴音がキーボードを触れるよりも先に、右側の画面が切り替わった。
「現役の見滝原市長ね」
リゲルが平然と答える。彼女がハッキングか何かを行い、画面を切り替えたのだろう。
あたかも記憶していたかのように、すらすらと彼の経歴を述べていく。
「学生時代は見滝原大学に留学生として在籍。卒業後は母国に戻り、二十年ほど前に見滝原区役所に転職。そのまま当時の市長補佐を務め、三年前に市長選挙に当選。……まあ、外国人市長ですから少し異色かもしれないけど、とりわけおかしな経歴ではないわね」
「ジャイアントのマスターって、その人じゃないの?」
その発言は、流石の情報通たちも考えていなかったのだろう。
鈴音は目を丸くし、リゲルは目を細めた。
「……根拠は?」
「……」
ハルトは可奈美と顔を合わせる。可奈美は何度も右腕をさすっており、ハルトはもう一度息を吐いた。
「ごめん。……ちょっと、冷静でいられなくて」
ハルトは頭を振った。
「キング・ブラッドレイが、見滝原大学の教授、ボンドルドと親しかった。それは知ってる?」
「さすがにそこまでプライベートな情報は……ボンドルド教授というのは、シールダーの元マスターですよね?」
「うん」
ハルトは、自らの右手を見下ろす。
ハルトの腕には、可奈美や鈴音のそれとは倍以上の黒い紋章が刻まれている。
令呪。
聖杯戦争の証であり、自らがサーヴァントを従える楔でもある。
そして、ハルトの持つ下半分の令呪。それは、今ハルトが口にしたボンドルドのサーヴァントと再契約した証でもあった。
「俺も直接見たわけじゃないけど……」
ハルトはもう一度可奈美の顔を見る。
可奈美が頷くのを確認し、ハルトは告げた。
「彼は可奈美ちゃんに真司に友奈ちゃん、あとその場にいた処
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