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世界はまだ僕達の名前を知らない
決意の章
04th
勝利宣言
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 遂にバレた。大黒男は舌打ちした。まだ仲間は?

「あ、ディグリー。何してんの?」

「お、アーニちゃんベストタイミング。流石我が妹」

「ディグリーより強いし、血は繋がってないんだけどね」

 居た。丁度黒女がそこを通り掛かったのであった。

 敵の数が倍になり一気に形勢不利となった前衛兵は何故もう少し早く動かなかったのかと歯噛みした。

「それじゃ紹介するね。コイツが今回のメインディッシュ、マエンダさんでーす」

「ふーん。おっさんね」

「おいおいそんな事言うなよ。そういうお前もいつかはおばs」

 結構強めに叩かれた。痛い。

「……………………」

 これから殺し合いを始めるというには余りにも弛緩した雰囲気に、前衛兵は怒気を露わにする。舐められていると感じたのだ。

「おっとぉ、今更怒っても仕方無いぜ支部長さん?」

 しかし大黒男はそれを余裕に、軽く受け流す。

「アーニが来た時点で、俺達の価値は確定したんだからな」



     ???



「……………………」

 終わった。そう思った。

 裏口の外には白女が立っていた。そうだ、敵が裏口の事を知らないなんて保証は無かったじゃないか。知っていたなら押さえていて当然。そして今回の場合は知っていたという訳だ。

「……………………」

 トイレ男は硬直した。白女の方は、彼女の方から何かする積もりは無いのか、沈黙していた。

 トイレ男は逃げる気になれなかった。路地裏で追い回された時、トイレ男は白女から逃げ切れなかった。最初?前々々回もそうだ。路地裏で白女に遭遇したトイレ男は逃げたが、逃げ切れなかったのだ。今回は何とか衛兵に保護されたとはいえ、その衛兵がもう頼りにならない以上、ノーカンである。これまで二回とも無理だった。ならば三回目も無理だろう。しかも付け加えれば、その三回目には仲間が?敵の仲間が居る。

「……………………」

 不思議と腕の中のトイレに意識が向いた。向けさせられた、というのがしっくり来る様な向き方だった。

 ふと、これに頭を打つければ時間が巻き戻るという事を思い出した。

「……………………」

 白女から逃げるのは二回無理だった、そして三回目も不可能に近い。一方トイレに頭を打つけて時間が戻る現象は三回起きた。ならば四回目も起こるのではないだろうか。そう感じた。トイレの方もそう言っている気がした。

 チラ、と白女の方を見た。

「……………………」

「……………………」

 トイレ男に喋る事に対する恐怖を植え付けた彼女はトイレ男の行動を待っている様であった。後手に回っても勝てる?そう思われているのだろう。トイレ男の方も、(たと)
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