決意の章
04th
襲撃
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トイレ男の反射神経がとても良かったのか或いは黒男がこんな所に有る筈の無いトイレに呆気に取られたのか、敵は驚いて硬直した。
しかしそれでも腕でトイレを防いでみせた。
「ッ!」
トイレ男は蹴りをかました。
バランスが崩れ、トイレ男は背中側に倒れる。その勢いすらも素人なりに利用して、黒男の脛を蹴った。黒男は避けられなかった。しかし後退するだけで、転倒はしない。
「かっ」
背中を床に打ち付けたトイレ男は空気の塊を吐いた。
黒男がトイレ男に躙り寄る。多少とはいえダメージを与えた事で警戒しているのだろう。トイレ男はジリジリと下がりつつ起き上がる。トイレで殴り付ける準備をした。
が、それは無駄だった。
黒男が倒れる右衛兵の近くに来た瞬間、気絶していたと思われた彼が起き上がり黒男に掴み掛ったのだ。
「!」
「なぁっ!?」
これは完全に予想外だったのだろう、黒男が驚きの声を上げる。
「右、突き当たり!」
さっきは意識の外からの攻撃であった為対抗できなかったが、今回は逆に意識の外から攻撃を仕掛けられた。そのお陰か黒男は苦戦気味だ。トイレ男は右衛兵の言った事に従い、格闘する二人を避ける様にして通路を右に曲がる。
突き当たりまで走り、そこの床を強く踏んだ。床が抜け落ち、転け掛けたトイレ男はしかし壁に額を打つけるに留まった。痛む間も惜しんで網梯子を捜し?駄目だ、黒男が持ち直してきている。網梯子を見付け出し設置する時間は無い。トイレ男は穴に飛び込んだ。
ジン、と足が痛む。それでも目の前のドアを押した。取り残してきた右衛兵が気掛かりだった。恐らく、あの様子だと彼は……考えない事にした。
裏口のドアが開いた。
?そこには、恐怖が居た。
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