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世界はまだ僕達の名前を知らない
決意の章
04th
結論
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やら衛兵達は襲撃が有るという事は知らないらしい。

 しかし警戒の理由も知らない様だった。ここから導き出される答えは、

「上の方は襲撃を知ってるけど、下の方はそうではない」

「そういう事」

 『ディグリーにしては賢いじゃないか』と言うと背中を小突かれた。結構痛かった。

「下の方が襲撃を知らないなら、多少いつもより警戒が強くても奇襲になる。そして、奇襲なら負けない」

「あぁ。だが、襲撃が有ると知っている上の方は何も対策していないのだろうか?」

「まぁ、詰所を襲うなんてそうそう有る事ではない、というか普通は信じられないもんな。襲撃の話を聴いたはいいが、信じられないので多少警戒を強めるに留めた。そんな所じゃないか?」

「……そうだといいな」

「ま、殺すのは支部長一人でいいんだ。それさえ成せれば後はどうでもいい……派手にやって欲しかったんだっけか?」

「そうだったな。まぁその辺はアーニや白姉に任せればいいだろ」

「……正面から突入するのは俺達なんだが」

「…………俺達がやんなきゃ駄目かなぁ」

 黒男は裏口を押さえている残りのメンバー達を思い出しながらボヤいた。(へん)(かい)(じゅつ)を使える妹分、よく解らない能力で数人纏めて戦闘不能にできる白い姉、気配を消すのが得意な小さい兄弟……最後のは除いても、あちらの方が騒ぎを起こすのは得意そうだった。

「駄目だろ。アーニと白姉の力は外にバレたら面倒な事になるからな」

「俺達でも未だに信じらんねぇからなぁ」

「ホントそれ。ナコードもだけど」

「俺、アイツ、嫌い」

「奇遇だな、俺もなんだ」

 二人は共通に嫌う人が居ると知り、互いに軽く拳骨を合わせた。

「……無駄話もそろそろにして、そろそろ行くか?」

「そうだな。もうアイツらも配置に付いた頃だろ」

「じゃぁ三、二、一で行くぞ」

「了解」

 三、と黒男が言うと、二人は足裏でしっかりと地面を踏み締める。

 二、と大黒男が言うと、二人は腰を落とし力を貯めた。

 一、と黒男が言うと、同時に彼らは跳び出す。

 詰所の向かいに有る建物の壁、簡単に壊れる様に細工されたそれを蹴破り、突然の事に対応が追い付かない見張り達に拳を見舞った。

 顔面を腫れさせ蹲る衛兵を蹴飛ばしながら、

「今更だが、だりぃーな」

「ほんとそれ」

 二人は建物の中へと突入してゆく。
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