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世界はまだ僕達の名前を知らない
決意の章
04th
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の話が本当だとしたら、」

 程無くして結論を出したらしい右衛兵が言う。

「もうそれ程時間に余裕は無い。という訳で僕はこの事を支部長に伝えに行こうと思う。ちょっと待っててくれ」

 右衛兵は再び退室した。

「…………」

 暇になったトイレ男は、襲撃に就いてより詳細に思い出してみる事にする。

 前々回、詰まり最初に襲撃が起こった回。その時は、先ず一回で大きな物音?戦闘の音がした。右衛兵が見に行くも戻らず、トイレ男が行くと伏せた衛兵達の中に白女が唯一人立っていて……という具合。

 前回は右衛兵が戻らなかった所までは一緒。違うのはトイレ男が一階の様子を見に行かなかった事だ。二階を彷徨(うろつ)いていたトイレ男は黒女に出会って……という具合。「…………」ら今にして思えば、この回で感じていた焦燥は襲撃に対しての物だったのだろうな、と改めて確信する。どうやら、記憶は時間が戻る度に完全にリセットされる訳ではなく、或る程度、それこそ無意識レベルで継承される様であった。

 現時点で、襲撃の目的は全く以て不明。襲撃側の戦力は最低二人。幾ら得体の知れない力を扱う白女と黒女と言えど多数の衛兵をたった二人で無力化できるとは思えない……思いたくないので、実際は三人以上居るだろう。「…………」、そう言えば、今回は路地裏で白女と黒女の他にやさぐれてそうなおっさんも居た。彼も襲撃のメンバーだろうか。いや待て、何かが可怪しい。路地裏で、白女と黒女&やさぐれ男は別れていた。共にここを襲撃するのなら、別に別れる必要は無い筈である。何故二人は別れた? ……そう言えば、前回会った黒女は足元が赤く染っていた。今ならばアレが何なのか断言できる。血だ。しかし、一階に居た衛兵に派手に出血している者は居なかった。一階に居たのが衛兵の全てという訳でも無いだろうが、一階の衛兵は血を出さずに無力化したのに他の衛兵は出血させるというのも可怪しな話だ。「…………」、アレが彼女達の目的に関わっているのだろうか。現時点では情報不足だ。

 考えている内にややこしくなってしまったので再び纏めると、

 ・目的:不明。
 ・人数:三人以上。
 ・黒女は足が赤く染まっていた。
 ・白女と黒女&やさぐれ男は別行動をしている。
 ・白女は感覚を封じるという得体の知れない力を使う。更に意識をぐっちゃぐちゃに掻き回す様な事もできる。
 ・黒女はこちらの動きを止めたり腕を伸ばしたりといった得体の知れない力を使う。

 こんな所だろうか。若しかしたらやさぐれ男も得体の知れない力を持っているかも知れないが、見た事ないので判らない。

 丁度そこまで考えた所で右衛兵が帰って来た。彼は別の衛兵?前衛兵を連れていた。
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