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冥王来訪
第三部 1979年
新元素争奪戦
バーナード星爆破指令 その4
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ごと消し去る命令だった。
「BETAという怪獣を作った異星人どもに、地球を分け与えてやるほど、俺の度量は広くない。
ここで跡形もなく消し去らねば、奴らは再び来る。抹殺せよ!」
 美久は、瞳を澄ませた。
マサキがそこで大きく頷いたのをみる眼だった。
 瞬間、ゼオライマーの黄色い目が耀(かがや)いた。
次元連結システムが音も無く莫大なエネルギーを胸にある宝玉に集め始める。
 ゼオライマーの最大の武器は、異次元のエネルギーを利用した次元連結システムがもたらす無限の動力源である。
次元連結砲を初めとする弾薬制限の無い各種兵装に、空間転移能力と高高度へ急上昇可能な推進装置。
 そして、なんといっても、必殺技のメイオウ攻撃である。
それは1機ですら、惑星はおろか、星系一つを滅ぼすに足る。
「」
 直後、爆発光がほとばしり、へびつかい座周辺の空が真紅に染まった。
砲声が操縦席を包み、480トンの機体が震えた。
 この直前まで、(やみ)静寂(せいじゃく)に支配されていたへびつかい座方面は、炎と轟音が支配する戦場に代わっていく。  
 再び、ゼオライマー各機から第二射が放たれる。
闇の彼方に浮かぶS字状暗黒星雲に閃光が走り、砲声が雷鳴の様に(とどろ)く。
 ゼオライマーとグレートゼオライマーの放ったメイオウ攻撃がへびつかい座を飲みこみ、主な天体全てを焼き尽くす。
モニター越しに移る視界全てが真紅に染まる中、マサキは満足感を覚え、微笑を浮かべるのだった。


 地球に帰還した翌日、マサキは小牧にある名古屋飛行場に来ていた。
飛行場に隣接する様に、小牧陸軍飛行場(今日の航空自衛隊小牧基地)が、そして光菱重工業(現実の三菱重工)名古屋航空宇宙製作所小牧南工場がある。
 そこで宇宙空間で運用したゼオライマーのデータをF−4ファントムにフィードバックする作業に立ち会ってた。
膨大なデータをIBM System/370に移しながら、胸ポケットにあるホープの箱を取り出す。
口にくわえた煙草に火を付けながら、一昨日の夜に行われたミュンヘンでの密会を思い起こしていた。


「博士、貸金庫に預けたはずの貴金属や宝飾品が消えていたら、どうなさる」 
 戸籍役場での式が終わった後、内々での宴席の際に、ゲーレンは深いしわが刻まれた顔を巡らせてそういった。
その場には、マサキを除けば、ココットの親族のみだけで、ゲーレンにとって最も信の置ける人物しかいなかった。
「内部犯の場合だったら、そのまま警察に持ち込むだけだ。
恐らく貴金属類は換金されている可能性があるからな」
 結婚式という状況で、何故銀行の貸金庫にある貴金属の話をするのか。
マサキは、一瞬戸惑ったが、ゲーレンの事だから政治がらみの話と思って、こう尋ねることにした。
「西
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