第137話『潜入作戦A』
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いに励まし合い、安堵の表情を浮かべていた。誰かが肩を貸し、誰かが手を握りしめ、誰かが泣きながらも笑っている。
その光景を目にし、大地はふと実感する。これが、人々の日常を守るために戦うヒーローの気持ちなのかと。胸の奥にじんわりと込み上げるものがあった。
……ちょっと、いや、ものすごく気分がいい。
だが、すぐにその感情を押し殺す。
「……まだ終わった訳じゃない」
大地が成し遂げたのは、あくまで優菜の救出。この教室以外の収容場所にいる人々の安否は不明のままだし、そもそもミラーハウスから脱出しなければ、本当の意味で日常を取り戻したとは言えない。
そして、その鍵を握るのは──
「晴登……」
大地と共にこの鏡の世界へやってきた親友。きっと今も、鏡男との戦いの最中だろう。無事だろうか。戦況はどうなっているのか。
──その時だった。
「……っ!?」
「爆発……!?」
遠くで何かが爆発したような轟音が響き渡る。振動が床を伝い、窓ガラスがかすかに揺れた。方角は……ちょうど保健室や体育館の方向。
大地の顔が引き締まる。
「晴登……頼んだぞ」
強く拳を握りしめ、親友の無事を願う。
それと同時に、焦燥感が胸を締め付けた。
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