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渦巻く滄海 紅き空 【下】
九十五 会議は踊る、されど
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おまえらがなりふり構わず力を求めて忍術を集めよるから、此方も対抗する為に『暁』を雇わざると得んようになってきたんじゃぜ!」
「なんだと!」

土影の反論に苛立った雷影が立ち上がる。
そのまま勢いに任せてテーブルを粉砕したエーに対し、影の護衛達が一斉に警戒態勢を取った。





だがそれは雷影の激情からの暴力に対してである。
決して外部からの侵入者に対してではない。
故に自らの影を守った護衛の忍び達は一様に、雷影へ攻撃態勢を取っていた。


話し合いの場である五影会談の席での感情任せの行為。
中立国からの冷静な判断から、雷影へ苦言を呈しようとしたミフネが口を開くよりも前に。








「───礼を欠いた行動は控えるべきだな」





ふわり、と。

五影会談の中心で、音もなく降り立った誰かが、寸前の土影の発言に同意した。




「【白眼】を狙って日向一族の本家の子を攫い、木ノ葉との戦争の火種をつくっただけでなく、かつて九尾の前人柱力をも攫おうとし、更には────」


そこで言葉を切って、雷影を鋭く見据える。
白フードの陰から覗き見える蒼の双眸に射抜かれ、エーの身体が一瞬、硬直した。







「九尾の現人柱力を幼き赤子の頃から攫おうとした罪……忘れたとは言わせんぞ、雲隠れ」




凄まじい寒気。
しんしんと雪が降り積もる鉄の国。
しかしながら、気温のせいだけではない悪寒が、火影を除いた影達だけではなく、その場の全員を震え上がらせる。



「────口を慎め、雷影」


五影会談の最中、堂々と乗り込んだうずまきナルトは、この場の錚々たる顔ぶれを見渡すと、やがて礼儀正しく会釈した。



「踊る会議はこれにて閉幕。ここからは────」


目深に被った純白のフードの合間から覗く双眸。
その蒼は外の雪景色よりも凍えるような、冷たさを秘めていた。





「“暁”である俺の話を聞いてもらおうか」

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