暁 〜小説投稿サイト〜
渦巻く滄海 紅き空 【下】
九十五 会議は踊る、されど
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は満足げに頷いた。


自里で優秀な忍びを育成するのは手間と金がかかるが、安い金で請け負い、最高の結果をもたらす。
戦争を生業とし、常に現役のプロ集団。


「…しかし木ノ葉を襲撃した『暁』とは別の“暁”の存在が出てきたという噂を耳にしたのですが、」

水影の発言を耳に死、我愛羅は「…それは、」と言い淀んだ。


『暁』のリーダーであるペインに木ノ葉の里を襲撃された際、その攻撃を防いで里人を守ってみせた“暁”。

人柱力である我愛羅を襲った『暁』とはまた違う組織なのだろうか。
それとも────。


考え込む風影、戦闘傭兵集団としての暁を称賛する土影、善か悪か判別できない“暁”に対して不安そうに視線を彷徨わせる水影。
三者三様に表情が違う彼らに対し、雷影は感情露わに怒鳴った。


「木ノ葉!岩!砂!霧!貴様らの里の抜け忍で構成されとるのが『暁』だというのは紛れもない事実!」

ジロリ、と『暁』を称賛した土影を睨んだ雷影は「開き直るな土影!」と怒鳴りつける。


「砂とて部外者ではないぞ!『木ノ葉崩し』に大蛇丸を利用したではないかッ」
「…その時、大蛇丸が暁を抜けていたかどうかは定かではないでしょう」
「それにその結果…四代目風影と、三代目火影を失った…」

雷影の言い分に、水影と風影は反論する。
特に己の実の父親である四代目風影のことを語った我愛羅は複雑そうに目元を伏せた。


「だからこそ『忍びの闇』の代名詞がつく現時点の火影は信用ならんのだ!あの古狸め…」

木ノ葉崩しにもダンゾウ率いる根が何かしら画策していたのではないか。
その疑いを持つ雷影は鼻息荒く熱弁する。

その激情の矛先は我関せずと傍観の態度を貫いていた水影にも向けられた。


「霧隠れ!素知らぬ顔をしておるが一番怪しいのは貴様らだ!お前ら霧は外交をしない…暁発祥の地とも噂されておる!」
「…この際だからはっきり申し上げておきましょう」

雷影の威圧的な態度にも怯まず、毅然とした態度で水影は背筋をピンと伸ばした。


「先代…四代目水影は当初、何者かに操られていたのではないかという疑いがありました。ですが途中で彼は自らの意志で水影を辞退しております。もっとも、その何者かが暁の可能性も無きにしも非ず…」

事を大事にはしたくなかった、と締めくくる水影に対し、雷影は「どいつもこいつも」と舌打ちする。

「ならば暁をひとりとして出しておらんのは我が里だけではないか!」



誇り高く胸を張る雷影を、他の影の面々はその時ばかりは皆、同じような表情でエーを見上げていた。
胡乱な目つきで雷影を見遣った土影は「フンっ」と鼻をわざと大きく鳴らす。


「そもそもこの軍縮の時代に雲隠れである
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ