九十五 会議は踊る、されど
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と申す」
鉄の国の大将であるミフネが会議に参加している面々を見渡す。
「五影の笠を前へ…」
風の国・砂隠れの里────風影である我愛羅。
雷の国・雲隠れの里────雷影であるエー。
土の国・岩隠れの里────土影であるオオノキ。
水の国・霧隠れの里────水影である照美メイ。
「雷影殿の呼びかけにより今此処に五影が集った」
「…まだ席についていない者がいるが?」
影の笠を机に置き、各々の影が席につく中、火の国・木ノ葉隠れの里の火影だけがまだ到着していない。
そのことを指摘した風影に反し、他の影達はさほど気にしていない様子で推測を述べる。
「木ノ葉は先日、『暁』の襲撃を受けたばかり。遅れても致し方ありません」
「しかし、大事な五影会談に遅れるような影は他里に示しがつかん」
「なにか理由があるのでは?火影は代替わりしたばかりのようですし」
火影がいないうちに火の国より一歩でもリードしておきたいという見え見えの影達に、風影である我愛羅は内心溜息をつく。
火影の到着が遅くなれば、何かあったのではと増援を送るのが定石であるだろうに、利益ばかりを求める汚い大人の事情が垣間見え、我愛羅は眉間に皺を寄せた。
しかし自分が席を離れるわけにはいかない。
仕方なく護衛として連れ添ってきてくれたテマリに頼む。
渋々護衛の任をカンクロウに任せ、火影を捜しに向かった彼女を視界の端で認めた我愛羅は改めて会談の席に腰を下ろした。
「心配性じゃぜ、風影殿よ」
土影のオオノキに茶々を入れられるも、我愛羅は平然と「むしろ何もしないのが問題だと思うが?」と怪訝な視線を投げた。
「フン!この場にはいない火影こそが諸悪の根源かもしれんがな」
鼻息荒く雷影のエーが眼光鋭く他の面々を見渡す。
その含みのある物言いに我愛羅は「どういう意味だ?」と問いかけた。
「風影のくせに何も知らされておらんのか!」
嘲笑うようなエーの態度に、我愛羅の背後で控える護衛のカンクロウは(なんだあの雷影ってのは!)と内心悪態をつく。
「自里の爺どもに聞いてみろ。かつて戦争に『暁』を利用してきたかをな!」
言葉足らずの雷影に代わって土影が簡単に説明した。
「今や大国は一様に安定してきた…軍拡から軍縮へと移行しとる。各国間の緊張緩和で戦争の脅威が小さくなれば国にとって軍事力である里は金食い虫の邪魔な存在じゃ」
しかしそれはリスクでもある。
突然戦争になった時、実践経験のない忍びに頼ったところで戦争に負けてしまう。
そこでそのリスクを回避する一つの方法として利用されてきたのが────。
「戦闘傭兵集団────『暁』というわけか」
我愛羅の言葉に土影
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