九十五 会議は踊る、されど
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「…アイツは…秘密を漏らすような…そんな男ではないと思っていたが、」
イタチを真の忍びだと認めていたからこそ、ダンゾウは落胆を隠しきれずに恨み言を口にする。
「イタチめ…全て喋りおったか…」
それはつまり。
「やはり、おまえだけは…特別だった、ようだな…」
今度は逆に黙り込んだサスケに反して、饒舌にダンゾウは淡々と言葉を続ける。
「自己犠牲…それが忍びだ。日の目を見ることもなく、陰の功労者…それが忍び本来の姿…」
そこでダンゾウは言葉を切った。
眼を閉ざしたその瞼の裏に、金色が一瞬過ぎる。
木ノ葉中忍本試験最中。
木ノ葉崩しが始まるその手前で出会ったあの、幼くも完璧に忍びとして成り立っていた子どもの姿が蘇る。
喉から手が欲しかったあの者こそ、忍び本来の姿。
「イタチだけではない…多くの忍びが…そうやって死んでいった。世の中は綺麗事だけでは回らん…」
耳が痛い話だ。
火影の座に就いても忍びである限り付き纏う問題だ。
「忍者とは修験の世界…名が出ないことが誇りであった」
自己犠牲、それが忍び。日の目を見ることもない影の功労者が忍び本来の姿。
故に名が出てこない忍び達のおかげで平和は維持されてきた。
その代表者とも言えるうちはイタチの弟を、逆にダンゾウは糾弾する。
「だがおまえに秘密を明かしたイタチは木ノ葉に対する裏切り…」
「ならば貴様も火影の座を求めず名も無きまま消えてゆけ」
ダンゾウの首を掻っ切る。
刀の切っ先が忍びの闇の血を浴びて真っ赤に染まる光景を、サスケの写輪眼は鮮やかに認めた。
「────それ以上、」
その眼には何の感情も窺えない。
「おまえが、」
あるのはひたすら膨れ上がる憎悪と殺意。
「────イタチを語るな」
志村ダンゾウの身体が崩れ落ちる。
確かに仕留めた。
あっけない終わりだったな、と思うと同時に、あの忍びの闇がこうもあっさり終わるものか、という確信があった。
だからこそ、気づけた。
「そうだな」
背後から聞こえた憎き相手の声。
サスケが振り向くよりも先にダンゾウはクナイを手に取る。
普段閉じている片目。今や開眼しているその瞳には明確な殺気があった。
「次は“眼”で語る戦いにしよう」
鉄の国。
三狼と呼ばれる三つの山からなる国で独自の文化・独自の権限と強力な戦力を保有する中立国。
忍びが手を出せぬその国は、侍と呼ばれる者が守っている。
「この場を預かるミフネ
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