第二章
[8]前話
「感じています」
「そうなのですね」
「何と神聖で幻想的で」
そうであってというのだ。
「神々しいのか」
「この社は」
「まことに。奇跡です」
ハーンはこの言葉も出した。
「こうしたものがあるとは。私はこれからは」
「これからは?」
「より日本のことを学び」
そうしてというのだ。
「日本のことを知りそして」
「そうされてですか」
「そしてです」
さらに言った。
「日本に入りたいです」
「まさか」
「そうです、日本人にです」
「なられるのですか」
「そうしたいです」
「信仰もですか」
「日本のそれをです」
神道のというのだ。
「受け入れます」
「否定されず」
「そうです」
まさにというのだ。
「そうしたいです」
「そこまでとは」
「それだけの感激を受けました」
天空に浮かぶ様なその社を見てというのだ。
「ですから」
「神道もですか」
「受け入れます」
こう言ってだった。
彼は日本に入り日本に住み小泉八雲という名で執筆も行う様になった、そして今もその社を見てだった。
社の宮司にだ、強い声で言った。
「まことにこれ程神聖な場所はです」
「ないのですね」
「この世に」
真剣な顔で語った。
「ありません」
「そうですか」
「何があろうともです」
それこそというのだ。
「残すべきです」
「この社は」
「大社全体がそうですが」
それでもというのだ。
「この社もです」
「残すべきですね」
「建て替えていき」
「代替わりの様にです」
「古よりあると聞いています、それでは」
さらに言った。
「これからもです」
「建て替えていき」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「これからもです」
「あるべきですね」
「永遠に」
まさにというのだ。
「そうあるべきです」
「そう言われますか」
「心から。これだけ神を感じる場所もありません」
「それ故に」
「これからも」
まさにというのだ。
「あるべきです」
「それは守ります」
宮司も確かな声で約束した。
「我々の務めですから」
「だからですね」
「必ずです」
「そうされて下さい、この社に出会えてよかったです」
感銘の言葉も述べたのだった。
「まことに」
「そう言われますか」
「心から。日本は実に美しくこの世にはないものに満ちています」
「そういったものを見ていかれますか」
「これからも」
こう話してそうしてだった。
大社の社を見続けた、その目は純粋な美そして神を見る目だった。その目で空に浮かぶ様な木の社を見ているのだった。
空の社 完
2025・1・13
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