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海と雨
第二章

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「本当にな」
「この季節は仕方ないな」
「海だけじゃないしな」
「冬はこうだよな」
「だからそういうものだって思うしかないな」
「ずっと夏のままだったらいいのにな」
 苦い顔でだ、新海は言った。夜の闇が近付き次第に暗さを増していく海を見て思い言ったのだった。
 翌日は雨だった、その雨の海を見てだった。
 特にだ、新海は登校中に隣にいる友人に言った。
「雨だと余計にな」
「嫌か」
「ああ」
 そうだというのだった。
「本当にな」
「冬の海の中でもか」
「凄い沈んでいてな」
 それでというのだ。
「もう何もいいところはないな」
「砂浜も濡れてな」
「最悪沼みたいになってな」
「お前砂浜も好きだしな」
「夏のな」 
 まさにというのだ。
「好きだからな、夏なんか人がいつもいてな」
「ビーチ、砂浜にな」
「夜だってな」
 この時間もというのだ。
「観光に来たカップルがいてな」
「デートしてるな」
「そうだからな」
「いいんだな」
「ああ、けれどな」
 それがというのだ。
「冬の海はこうで」
「雨になるとか」
「尚更暗く沈んだ感じになってな」
「嫌なんだな」
「だからな」 
 それでというのだ。
「部活でな」
「泳ぎたいんだな」
「プールに行って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「泳ぐんだな」
「海で泳げなくて海がそんなのだとな」 
 それならというのだ。
「もうな」
「プールに行ってか」
「泳ぐよ」
 そうするというのだ。
「今日もな」
「そうなんだな」
「ああ、泳いだらな」
 それならというのだ。
「今の季節の海を見てもな」
「特に今みたいな雨が降ってるか」
「そんな海を見てもな」
 それでもというのだ。
「気が晴れるからな」
「今日も泳ぐか」
「そうするよ」
 こう言ってそのうえで登校してだった。
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