第二章
[8]前話
「肉だ」
「卵だ」
「それに羽毛だ」
「全部使うぞ」
「皮も食えるしな」
「鳥はいいものだ」
「卵も産んでくれるしな」
こう話してだった。
鳥も飼った、それから。
羊もだ、人間達は見て思った。
「あの羽毛は使えるぞ」
「しかも食べても美味い」
「羊を飼うか」
「そうするか」
こう話して羊達も飼ってだった、草を食べさせ肉と羽毛を手に入れていった。やがて人間達は彼等をだった。
「狼は餌をやれば飼っている生きものを襲わない」
「番をさせよう」
「飼っている生きものは野良仕事にも使うんだ」
「その力を役立てるんだ」
「皮だけじゃなくて骨も使うか」
「色々食い方も考えていこう」
「乳から色々なものを造れるぞ」
ここでふと誰かがこう言った。
「乳から水気が出ると美味いぞ」
「おお、これは美味い」
「確かにそうだな」
「保存も利く」
「これもいいな」
こう話してだった、そうしたものも食べる様になった。
気付けば人間達は生きもの達に囲まれて暮らす様になった、やがて野生の山猫も飼う様になってだった。
「鼠を捕ってくれる」
「何かと荒らす鼠達を」
「こいつも飼おう」
「そうしよう」
こうして山猫も飼ってだった。
人間達は様々な生きもの達に囲まれて暮らす様になった、やがて狼は犬となりオーロックスは牛となり猪は豚になり鳥は鶏、山猫は猫となった。
飼っている生きものはペットそれに家畜と呼ばれる様になり神はそれを見て天使達に言うのであった。
「まさにこれがだ」
「神が人に授けられた知恵ですね」
「生きる為に授けられた」
「文明を築く為に」
「楽園は追放されたが」
それでもというのだ。
「生きねばならない、それならな」
「生きねばならない」
「それならですね」
「生きものを用いる」
「そうすることも必要ですね」
「人だけでは生きられぬからな」
だからだというのだ。
「その知恵を授けた、そしてこれからもな」
「彼等と共に生きて」
「そうしてですね」
「人は生きていきますね」
「左様、人は彼等と共にいる限り栄える」
こうも言うのだった。
「その姿を見守っていこう」
「わかりました」
「我等もそうします」
「これからの人間達と彼等も」
天使達は神の言葉に頷いた、そして人間達を見ればだった。
彼等は今も多くの生きもの達に囲まれていた、そうして栄えていた。その姿は彼等が気付いていなかったとしても実に賑やかで豊かなものであった。
バイオ革命 完
2024・10・12
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ