決意の章
02nd
巨女
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………」
悪を撃退した巨女は大男をその辺に寝かし、未だ倒れた侭のトイレ男に走り寄る。一方のトイレ男の方は、漸く恐怖から解放されつつあった。
「大丈夫か!? 大丈夫なら返事しろ!!」
「……………………(首を横に振る)」
「大丈夫じゃないだと!? 畜生アイツら何やりやがったんだ! 今診療所に運んでやるからな!!!!」
トイレ男としては『返事できません』という意味で首を振ったのだが、どうやら巨女には誤解されてしまった様だ。
必死で首を振り「え!? 大丈夫じゃないのに診療所には行かない!?!? え、行く!?!? どっちなんだはっきりしろ!!!!!!!!」と巨女を混乱させつつも、どうにか誤解を解く事に成功した。
「そうか……お前、喋れないのか……」
「……………………(頷く)」
立ち上がったトイレ男と相対する巨女は「お前も苦労しているな……」と同情の目を向ける。
「紙とペンは? 文字は書けないのか?」
「……………………(首を横に振る)」
「そうか、書けないのか……」
「……………………(『さぁ?』という様に肩を竦める)」
「? どっちなんだ?」
「……………………(『どっちだろうねぇ』という風に首を傾げる)」
「?? ???? ……?」
巨女とのコミュニケーションは困難を窮めた……というより、巨女はトイレ男の言いたい事が余りよく判らなかった。
「あーっ、わっかんねぇイライラするぅ。取り敢えずこれに何か書いてみろ」
「……………………(首肯)」
巨女は地面に置かれた侭になっていた鞄を拾い上げ、そこから取り出した紙切れとペンを渡す。それを受け取ったトイレ男は先ずは文字が書けるかどうかを確認した。
幸いにして、文字は書けた。
【トイレ】
「…………、……………………、…………………………………………。…………? ????」
巨女は只管に困惑した。
【便器 トイレット 便所 綺麗 美しい 文字は書けます】
「……お、おう、そうか…………」
ここで巨女は漸くトイレ男の抱えているトイレに意識を向けた。どこかに輸送中なのかと思っていたが、後生大事そうに抱えている風を見るにそうでもなさそうだ。なら何だこれ?
取り敢えず、巨女は気にしない事にした。巨女はそれを言い出してしまうとじゃあ自分は何なんだと言われる事を知っていた。自他共に認める筋肉達磨、それが彼女だ。
「じゃ、じゃぁ意思疎通もできる様になった事だし自己紹介でもしよう。私の名前はリーフィア、リーフィア・モーヴ・エー。君は?」
【記憶が無いので答えられません】
「記憶無いの!?」
巨女の驚愕にトイレ男は
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