真・体調伝
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「ううぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」
体調は地面に叩き付けられる。衝撃にホ°??キーを手放してしまいそうになったが、何とかそれだけは堪えた。
一方、衝撃で体調を手放してしまった千夜都はプリ〇ツを構え、彼の攻撃に備える。
?戦いは、まだまだ続く。
???
?クウキウスイトランスペアレントは、その戦いを茂みの中から見ていた。
体調に蹴り飛ばされ玉座に叩き付けられていた彼だが、何とか体調大爆発の難を逃れていたのだ。生来の空気の薄さに因り存在を忘れられていたのも大きい。
隠れる茂みを探すのに精一杯だったので千夜都が涙を流すシーンは見れていないが、それでも二人の壮絶な戦いは眼に映っていた。
?何というか、凄かった。
クウキウスイトランスペアレントの語彙力ではそれしか言葉が出ない。
周囲の被害を気にせず戦う二人は、クウキウスイトランスペアレントには眩しかった。コソコソと風景に溶け込んで、コソコソと背中を刺す事しかできない彼には。
「あぁ……」
そういう戦い方をする人種が世界には居て、人口の大部分を占めているらしいという事は知っていた。自分がマイノリティだと知っていて、だけど寧ろそれが個性だと言い聞かせて、心の奥底に隠していた。何を?
憧憬を。
誰しもが目の釘止めを避けられないくらいに、派手な戦いへの憧れを。
今までは問題無かった。空気の薄いクウキウスイトランスペアレントの事はあんまり話題に登らなかったし、誰もその心の奥底には踏み込んで来ようとしなかった。千夜都ですらだ。
だから、今までその憧れは無問題に隠せられた。
でも。
「あ、あぁっ、ぁぁ……」
こんな戦いを見せられて、魅せられてしまってはもう隠せない。
クウキウスイトランスペアレントの心に封じ込められていた憧憬が今、溢れ出す。
「ぁぁ……ぁぁ、ぁぁ…………」
ぁしか言えない。彼の頭は憧憬に支配されているから。
その憧憬は、脳の全てを、繰り広げられる激闘を記憶に刻み込む事に費やしているのだから。
???
「ッアァッ!」
実の所、体調は苦戦していた。
千夜都のプリ〇ツの攻撃は苛烈にして精巧だった。回避は可能だが、受けるとなるとルートを変えられるし、食べようとすれば不味いのだ。
「クッ、疾風態!」
「それはさっき見たわ!」
一〇〇〇の風になって歌おうとするも、千夜都のプリ〇ツに一万の破片に刻まれてしまったので不可能だった。
既に、体調は切札を一つ残して切り切っている。
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