真・体調伝
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、思い出まで奪うのは許さない。赦さない。勿論、貴方や部下との思い出も同じくらい大事よ? 同じくらい大事だから、赦せないの。貴方、部下との思い出の場所を爆破されたら、その爆破犯を赦せる? 無理でしょう? 私に取って彼らは恋愛の相手じゃなくても、親であり、家族であり、友人であった。在った。それを奪われて、私がどう思って、何を感じて、どの様な物を覚えているか、貴方に判る? ?判らないし、解らないでしょう。その重さ《・》が。当然ね、貴方は喪っ《・》た事が無いのだから。喪ってないから、平気な顔して、『お前の為だー』とか叫びながら奪えるのよ。この泥棒が。まだ解らない? えぇ解らないでしょうね。だから例示してあげる、私のここでの思い出を。?或る日、オレオレ詐欺レッドとNTRブルーは私の為にパンケーキを作ってくれたわ、赤と青の縞々模様の。可笑しいわよね、だって混ぜたら陰キャパープルの色になっちゃうからとか言うのよ? 別に宜いじゃない、私は紫色というだけで彼を連想したりはしないわ。?或る日、ド忘れを起こす怪人イエローの悪戯でクウキウスイトランスペアレントが茶色に染まってしまった事が有ったわ。彼の最大の強みは空気に溶け込み相手に悟られず動き回れる事。そのアドバンテージが、全て消えてしまったの。慌てて当然よね。彼はラーに助けを求めて、結果悪魔ピンクが茶色を吸収したわ。悪魔ピンクを見て少し茶色いなとか思わなかった? その時からよ。?或る日、ザッコとヨーワとヴスが城を出て行くと言ったわ。修行をしたいんだって。父上様は賛成したわ、少しは世界を見て回るのも好いって。モヤモヤモヤシは反対したわ、寂しくなるって。ふふっ、彼も可愛い所が有るわよね。寂しいなら一緒に行けば宜いのに、彼には《神秘の間》の管理という大仕事が有ったから、それが無理だと思ってたのね。父上様はそれぐらいなら許してくれるのに。結局、ザッコ達は外の世界へ行ったわ。直ぐそこだけれどね。元々盗賊だったっていうヌウニタネナユナに教えを乞うて盗賊になったわ。とっとも小物な三人だったから、よく似合っていると思ったのを憶えている。?或る日、居留守グリーンと混乱オレンジが共謀して高笑いアッシュを嵌めたわ。高笑いがウザかったらしい。でもアレは流石にやり過ぎだった。高笑いアッシュは数年間生死の境を彷徨って、イヤナヤツホワイトの看病が無かったらどうなってた事か。まぁ、この事件のお陰で高笑いアッシュとイヤナヤツホワイトの距離が縮まって、結婚に繋がったのだから悪い事ばかりではなかったのだけど」
他にも、或る日、或る日、或る日或る日或る日。
そこには、沢山の思い出が有った。
「…………………………………………」
彼女の叫びを聴いて、体調は沈黙した。
「どう、解っ
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