真・体調伝
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? 存じませんねぇ……
千夜都は数年前にこの街、『第九七ヴィルヴェンツェリオンカルパルラ=エッツィ=イヤァァァァァン?帝政王国』の最も辺境に有る『大いなる神の都州』に引っ越してきた外人だ。体調とはそれ以来の長めの付き合いになり、女風呂で鉢合わせて以来こうして毎日の様に模擬戦をしている。これまでは体調の全戦全勝だ。
千夜都はアップリウムで出来た鶏冠なので喋れない。なので模擬戦が終わったら直ぐに解散だ。「またな〜」と手を振り、体調は家へ歩いた。
大いなる神の都州は確かに辺境に有るが、しかしそれは田舎である事を意味しない。発展度合いで言えば首都である『公都ゴッカーン』にも勝る。辺境なのに田舎らしさを感じさせない都市、それが大いなる神の都州だ。
「ただいまー」
「お帰りなさーい?」
ドアを開ければ、愛しき彼氏が出迎えてくれる。
彼氏の名前は『部下』という。読みはその侭『ぶか』。短くて呼びやすいのがセールスポイントだ。そんな部下は今日は裸エプロンでツェルパーヤナナナを作っていた。
「お前……裸エプロンって…………」
「どう? 似合ってる?」
モジモジを顔を赤らめて言われれば『似合ってるぜ! 最高に愛してる!!』以外の答えは返せない。
ツェルパーヤナナナが完成するや否や二人で寝室デートと洒落込み、一時間しっかり堪能した後、二人は食卓に落ち着いた。
「ふぅ……はぁ……それで何、話って?」
未だ息の上がっている部下に、体調は神妙な面持ちで切り出した。
「アクメルちゃんに、告白しようと思ってな」
「?、そう、アクメルちゃんに…………」
アクメルちゃんは体調の家の隣の隣の隣の向かいの向かいの隣の隣の隣の隣に住んでいる女の子だ。とってもキュートなラブリーさが特徴で、大いなる神の都州で彼女の事を敵視せぬ女は居ない。後無乳。
「あぁ。今日で、千夜都の奴に記念すべき四五四五勝を上げたからな。この連勝を持って、俺はアクメルちゃんに告る」
「????」
体調の決意に塗れた顔を見て、部下は少し悲しそうな顔をした。
が。
「うん、頑張ってね!」
それを虚勢の裏に押し込んで、部下は体調を応援した。
「あぁ?勝ってくる」
体調がその事に気付く事は、終ぞ無かった。
???
善は急げ。体調は直ぐにアクメルちゃんの家へ向かった。
「済みませんもう赦してください何でもしますからーっ!!!!」
「はぁい、何ですかぁ?」
コンコンと玄関ドアをノックすると、アクメルちゃんの姉が出迎えてくれる。アク
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