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素晴らしい家族を得て
第二章

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「まだかな」
「あと少しよ」
 そんな夫に妻は告げた。
「だからね」
「待てばいいか」
「ええ、あと少しね」
「それなら」
 夫はそわそわしつつ頷いた、そして。
 遂に犬が来た、すると。
「ワンワン」
「あら、この娘の方が」
 妻は犬がすぐに夫に飛びついてきたのを見て驚いた、それは喜びと共にあった。
「喜んでるわね」
「ご主人がわかっているのね」
 友人もいて妻に言ってきた。
「いい人で自分と家族になってくれるって」
「そうみたいね」
「それならね」
 友人はさらに言った。
「この娘を家族に迎えてくれるかしら」
「勿論よ」
 妻は笑顔で応えた、こうしてだった。
 夫婦は夫が願った通り犬を家族に迎えた、犬はモカと名付けられ。
「今日もなのね」
「モカも一緒だよ」
 夫は農作業をしつつ妻に答えた。
「こうしてね」
「お仕事の時も一緒ね」
「散歩にも行ってご飯もあげて」
「一緒のお部屋に寝て」
「そしてだよ」 
 そのうえでというのだ。
「仕事の時もだよ」
「一緒ね」
「ずっと一緒にいたいと思っていたんだ」
 夫は妻に話した。
「それならだよ」
「その言葉通りに」
「そう、一緒だよ」 
 まさにというのだ。
「モカと。もう何かあっても離れないよ」
「モカも一緒の気持ちね」
「ワンワン」
 見ればモカも夫婦の傍を離れない、妻はその彼も見て言った。
「ずっと私達の傍にいてくれるから」
「そうだね」
「だったらね」
 それならというのだった。
「ずっと家族としてね」
「一緒にいよう」
「そうしていきましょう」
 妻も農作業をしている、そうしつつ言った。そしてだった。
 モカはその二人の傍にずっといた、そこから離れようとしない。仕事の邪魔はしないがずっとそうだった。二人はそんな彼女を見て自然と微笑んだのだった。


素晴らしい家族を得て   完


                 2025・3・23
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