第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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たらせない。
少なくとも、ある程度の武術の心得は持っていた方が良いと思います。
「でも、それは忍だって、似たような物じゃ……」
当然の台詞を口にする才人。
これは、仕方がないですよね。俺の見た目は、間違いなく普通の男子高校生。それ以上にも、それ以下にも見えませんから。
ただ、そう言う風に装わなければ、現代社会で、更に未成年の俺が生きて行く事は出来ませんから。
特に、まつろわぬ者指定されている龍種の俺達はね。
俺は、式神を封じて有るカードを取り出し、
「サラマンダー」
才人の見ている目の前で、炎の精霊サラマンダーを召喚する。
それに、口で説明するよりも、実際に目で見て貰った方が話は早いと思いますから。
サラマンダーを示す納章と召喚円が空中に描き出され、その中心に集まる、小さき炎の精霊たち。
そして、次の瞬間、俺の式神、炎の精霊サラマンダーが召喚されていた。
もっとも、俺が連れているサラマンダーは、キュルケが連れているような火トカゲの姿などでは無く、より高位のサラマンダーで有り、西洋風の紅い炎を連想させるドレスと、紅玉に彩られた貴婦人……と言うには少し幼いのですが、人型。更に美少女姿のサラマンダーで有りました。
そう。炎を思わせる髪の毛が、春の風にゆらゆらと揺らめき、その身体からは、炎そのもののオーラが立ち昇る。
伝承上にサラマンダー族の女性は美しいと語られるそのままの美少女姿のサラマンダーで有る事は確かです。
「俺は、式神使い。残念やけど、普通とは少し違う生活を、現代日本でも過ごしていた高校二年生やったんや」
サラマンダーが、西洋の貴婦人風の礼を才人に対して行う。その姿は、かなり堂に入ったもので、付け焼刃に身に着けたモノではない事が判るものでした。
それにしても、戦闘中でもないのに同時に五柱の式神の使役ですか。確かに、この場合は仕方がない面も有りますけど……。
それに、このランダム召喚では召喚事故が起きる可能性が高い上に、結界などで召喚場所を護る訳にも行かない以上、戦力は用意して置いた方が良いのも事実。
何かが起きてからでは、一手、召喚作業で遅れを取る事と成りますからね。
「式神使いって、安倍晴明とかで有名なアレの事?」
そう問いかけて来る才人に対して、首肯く俺。これは肯定。
もっとも、主流派に属する陰陽寮出身の家柄と違って、俺は血筋的に言うと大陸に端を発する家系故に、在野の術師扱いに成るのですが。
あの世界……退魔師や魔法使いの世界と言うのも、矢張り、家系や血筋を最重要視する世界ですから。
俺のような、ぽっと出の新人では、居るのか、居ないのか判らない程度の扱いしか受けられませんよ。
「確かに俺やって、生
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