第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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持っているとも思うのですが。
才人がやって来た世界が、俺が暮らしていた世界と同じならば、閉塞した未来を彼自身が感じていたとしても不思議ではないですから。
その未来に対する閉塞感が、召喚円を彼の前に開かせた可能性もゼロでは有りません。
但し、それイコール、ルイズの使い魔に成るしか選択肢が用意されていない、と言う訳では有りません。
彼の場合は。
「いや。才人には使い魔になる、と言う選択肢以外に、断固拒否すると言う選択肢も残されている。
そもそも、俺は相手の意志を確認しない、こんなランダム召喚を認めている訳やない。
それに、才人が自分の意志で彼女の使い魔などになるか、と言う強い意志を表明するのなら、俺はその考えを肯定する。
その場合、以後の才人の生活は、俺が見るから心配する必要はないで」
元々、タバサの方の理由が無ければ、俺は使い魔に成る事を拒否していました。
確かに、人間的に甘いと言われると、それは事実なのですが。
それにもし、ルイズに対して俺がアドバイスを行った事が、才人の地球世界での未来を奪う事の手助けとなって仕舞ったのならば、俺にも何らかの責は有ると思います。
ならば、俺は彼の意思を尊重すべきですし、肯定するべきだと思います。
「でも、それだと、忍が使い魔になった理由が判らないな。
俺と同じように召喚されたのなら、忍も使い魔とか言う物にされているんじゃないのか?」
ふむ。かなり冷静な反応ですね。
この部分に気付くのなら、そう頭も悪くはないぞ。
「俺が使い魔になった理由は、この使い魔召喚の儀式が魔法学院の進級試験で、俺が使い魔にならなかったら、俺を召喚した女の子が落第させられて仕舞う、と聞いたからや。
俺の場合は事故やったけど、それでも、ここにやって来たのは、俺とその娘の間に某かの縁が有る、と言う事やから、使い魔になる事を了承したんや」
もっとも、これは俺の考え方で、俺の考え方を才人に押し付ける気は有りません。
それに、俺は、使い魔の仕事をこなせるだけの、かなり珍しい能力も持っていますから。
「その話を聞いた上で、それでも俺が使い魔になる事を拒否したら格好悪いじゃないか」
苦笑するかのように、そう言う台詞を口にする才人。
まぁ、男の子ですから格好を気にするのは当然。……なのですが、
「いや。才人の場合、未だ問題がある。
この世界は日本ほど安定していて、治安が良い世界と言う訳ではないらしい。つまり、使い魔には、主人で有る魔法使いを護る役割が有るらしいんや。
せやから、最初に聞いたやろう、何か特殊な才能を持っていないのか、と」
格好が良いから使い魔に成るのでは、才人に取っても、ルイズに取っても不幸しかも
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