第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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能でしたけどね。但し、厳密に言うと数瞬のタイムラグが存在する事から、言葉通りの意味での瞬間移動と言うよりは、超高速移動と言うべき能力しか俺は知らないのですが。
……と言うか、彼、平賀才人と名乗った少年の、今までの受け答えから推測すると。
「それとな、平賀。これは真面目な質問やから、茶化さずに聞いて欲しい。
オマエさん自身は、実は魔法が使えるとか、超能力が使えるとか、本当は遥か彼方の星から地球を訪れた宇宙人だとか言う裏設定は持ってないか?」
おっと、宇宙人は少し余計でしたか。
しかし、普通に考えると、彼が何の能力も持っていない一般人で有る可能性は非常に薄い、……とは思うのですが。
それとも、このランダム召喚魔法は召喚される方の能力に関してもランダムで、相手の霊力に反応して召喚円を開いている訳では無く、もっと別の理由。その召喚される側の持って居る何かに反応して召喚する魔法なのでしょうか?
例えば、術者との相性などで召喚円を開く相手を選別しているとか……。
「そんな物を持っている訳ないだろう。俺は普通の高校二年生なんだから」
少し怒ったように、そう答える平賀。尚、そう答えた彼からは、どう考えても、ウソを吐いているような雰囲気を感じる事は出来なかった。
……って、おいおい、これは、少しマズイぞ。
「コルベール先生。ヴァリエール嬢。少し、問題が有るのですが……」
俺が、少し言いよどむようにして話し始める。……と言うか、彼らの方も契約前の平賀が話している内容は判らないけど、俺が話している内容は判っているはずですから、大体の事情は掴めているとは思うのですが。
「つまり、彼は魔法を行使出来ない平民と言う事ですね?」
コルベール先生がそう聞いて来る。
その平民と言う言葉の意味が、どうも俺の知っている言葉の意味と若干違うようなのですが、平賀才人と名乗る少年が、どうやら現在は魔法や、それに類する特殊な能力を行使出来ない人間で有るのは間違い有りません。
そう思い、首肯く俺。そして、こう続ける。
「私の住んで居た国では、魔法は秘匿された技術で有り、普通の人々は魔法とは関係しない形で暮らして行くのです。
本来、私のような、魔法を行使する存在の方がマレなのです」
これは事実です。しかし、実際は、社会の裏側には魔術は確実に存在して居り、悪魔や神と呼ばれる存在も確実に存在していたのですが。
それで無ければ、退魔師などと言う生業が成り立つ訳はないですから。
「但し、今、彼が何の能力も持っていないからと言って、悲嘆する必要は有りません。
人は何かしらの因子を受け継いで生まれて来ている物です。
私だって、生まれた時から、式神使いの能力を持っていた訳では有りませんから。
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