第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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通じる俺が居て、俺が別に慌てている雰囲気でもないから、状況を楽観視しているのかは微妙な線だと思いますけどね。
いや。そもそも、俺の語っている内容を信用していない可能性も有りましたか。
まぁ、良いか。次の台詞を聞いたら、状況が少しは理解出来ると思いますから。
……いや、それでも俺のホラ話だと思う可能性もゼロではないか。
「そこでな。先ず残念な部分から伝えるけど、俺達が日本に帰るのは、今のトコロ無理らしいんや」
もっとも、これはアガレスが語った言葉で有って、俺が直接聞いた話ではないのですが。
ただ、俺の式神が悪意を持って、俺に対して間違った、俺が不利になる情報を伝える事は有り得ないので、少なくともあの場でタバサが語った台詞を、俺に対してアガレスは告げたはずです。
何故ならば、直接、俺の身に危険が降りかかるような誤った情報などを報告される、信用度の低い契約……所謂、力や真名で縛るタイプの契約を交わしている訳では有りませんから。
「またまた、そんな冗談を言っても、俺は騙せないぜ。
どうせ、テレビか何かの撮影なんでしょう?」
かなり軽い調子で、そう答える平賀才人と名乗った少年。彼が発する雰囲気は、どう考えても泰然自若とした物で、自らが窮地に陥っていると認識して居る様子はない。
成るほど。最初から、妙に余裕が有る態度だった理由は、そう言う事ですか。
確かに俺は好きでは有りませんが、低俗なテレビ番組の中には、こう言う趣向で参加者を騙して、右往左往する様を隠しカメラで撮影して視聴者の笑いを取る番組も有りますね。
なのですが……。
「それなら聞くけど、平賀は何処でその召喚円を潜ったんや? そこは、こんな草原やったかいな」
日本では既に失って仕舞った空の蒼。地面は、まだまだ薄い緑に過ぎないのですが、それでも豊かな草原が続き、更にその先には、中世ヨーロッパ風の城のように見える建物が建っている。
尚、どうやらあのお城が、魔法学院らしいのですが。
ちなみに俺が走っていたのは、当然、アスファルトで舗装された道路の上でしたし、橋から降りて来る坂道で加速を付けている最中でした。
「えっと、俺の場合は、日本の東京の街の真ん中を歩いていたんだ。そうしたら、目の前に、妙な鏡のような物が現れて……」
その鏡を潜った一瞬後には、草原でお空を見上げていた、と言う事ですか。
「残念ながら、いくら日本の科学技術が優れているとは言っても、人間を瞬間移動させる技術は未だ確立されてはいない。
俺達が今巻き込まれている事件は、おそらくやけど、科学が起こした事件やない。
魔法が支配する事件や」
もっとも、瞬間移動に関しては、科学では無理でも、魔法なら可
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