第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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同じ言葉を話している以上、同じ世界か、かなり近い平行世界に分類される世界出身の人間で有るのは間違いないでしょう」
一応、そう答えて置く俺。但し、彼が俺と同じ世界の出身ならば、あの世界の住人の内で直接魔法に関わっている人間の数はかなり少なく成ります。
二人連続で幸運が続いたら良いのですが……。
そうしたら、先ずは、召喚された青いパーカー姿の少年に対する状況説明からですか。
そう考えた後、未だ大地に足を投げ出したままの状態で座り込んでいる少年に、自らの右手を差し出しながら自己紹介を行う俺。
「俺の名前は武神忍。一応、日本の徳島出身の十六歳高校二年生なんやけど、アンタは、現状が理解出来ているかいな?」
尚、急に話し方が変わった俺に、少し驚いたような表情を浮かべるルイズ。
どう言う原理かは判らないけど、同時通訳で俺の話した言葉は、そのまま、この国の言葉と成って通訳されているらしいから、この少年に対しての対応をそのまま聞いたら驚いても当然ですか。
彼女に対しては、今まで、よそ行きの口調で相対して来ましたからね。
「えっと、俺の名前は平賀才人。同じく、高校二年生。現状と言うか、妙な空中に浮かんだ鏡のような物を潜った途端に……」
俺の手を取り立ち上がった平賀才人と名乗った少年が、少し現状が理解出来ていないような雰囲気でそう話し始める。
しかし、妙な返答ですね。彼は召喚円を理解していないのか。それとも、俺の事を警戒して、能力者だと言う事を隠そうとしているのか。
当然、ある程度の修羅場を潜って来た人間や、異界に近い世界に身を置く人間ならば、俺と同じ平行世界の出身で有ったとしても、召喚円の事は知っているはずなのですが。
「その鏡のような物と言うのは、次元の壁を超える為の召喚円。判り易く言うと、異世界への門、入り口と言うモンかな。
つまり、ここは日本でも無ければ、地球でもない。まったく別の世界や。
俺の場合は、下校途中で自転車に乗っていていきなり目の前に何かが現れたから、確認する余裕はあまり無かったんやけどね」
これは事実ですし、同時に、かなりマヌケな話でも有ります。実際、普通に歩いている時や、落ち着いて行動している時でしたら、こんなランダム召喚などに巻き込まれる事など無かったはずですから。
「へぇ。俺の場合は、つい好奇心に負けちまって、潜って仕舞ったんだよ。
色々と試して見たけど、危険な感じはしなかったから。それに、何故か潜らなくちゃいけないような気もして来たからね。
成るほど。あれが、異世界へのゲートか」
平賀才人と名乗った少年が、やけに落ち着いた雰囲気でそう話した。
しかし、現状が理解出来ているのか、それとも、傍に日本語が
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