第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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まれた時から式神使いや無かったから、才人やって、今後、何らかの能力に目覚める可能性は高い。
せやけど、それと、彼女……ヴァリエール嬢の使い魔に成ると言う事はイコールで繋げられる事ではない。
他者に使われる身に成るのは、絶対に矜持が許さない場合やって有るからな」
俺の場合は、その自分の矜持よりも、タバサと言う少女の未来が重要だと思ったまで。
もっとも、契約時に、もう少し契約内容を詰める心算で軽く答えたのも事実なのですが。
「あ、え〜と、シノブくん。それで彼は、何と言っているのですか」
ルイズの説得が終了したのか、コルベール先生が俺に対して、そう話し掛けて来る。
その後ろには、不承不承ながら承諾したのがアリアリと判る、ルイズの不満げな顔が有った。
おっと、イカン。才人の意志の確認が未だでしたね。
「才人。もう一度聞く。ヴァリエール嬢の使い魔に成っても構わないか?」
俺の問いに、大きく首肯く才人。
「忍の言う事は筋が通っているし、それに俺が我を通したら彼女が落第するんじゃあ仕方がない。
それに……」
俺の方を一度見てから、更に言葉を続ける才人。
「このまま、この世界で暮らし続ける心算は、忍にもないんだろう?」
おや、鋭いね。
確かに、俺の方の余裕は、帰還方法の糸口が有るから。
但し、今の俺では奇門遁甲陣で、望みの世界に確実に次元孔を開く事が出来ないのですが。
「未だ確実とは言えないけど、帰る方法はゼロではない」
まして、古来より神隠しなどに遇って帰還した人間の伝承は腐るほど有ります。
もっとも、平行世界を渡り歩く異邦人のような状態にはなりたくはないから、慎重に事は運ぶ心算ですけど、帰還する事を諦める心算など有りません。
それに、本当に帰還するのなら、俺のように血縁が一人も向こうの世界に居ない人間よりも、家族が居る可能性の高い才人の方が、因果の糸を掴みやすい以上、帰還出来る可能性が高いと思います。
肉親……家族が、居なくなった家族を思う心は強いものです。
その想いを上手く掴む事が出来たのなら、元の世界への次元孔を開く事は可能と成りますから。
「ならば、使い魔でも何にでもなってやるよ」
やや状況に流された感はあるけど……。でも、才人の方のある程度の覚悟は完了したな。そうすると次は……。
「コルベール先生。彼、平賀才人くんの方はヴァリエール嬢の使い魔と成る事に同意はしてくれました」
但し、才人が直接交渉出来ないので、ここから先も俺が間に立って、才人とルイズの交渉の通訳を行う必要が有るのですが。
もっとも、ふたりの契約が完了するまでの間だけですから、もう少し付き合うだけで良いでしょうね。
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