第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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の母国語です」
もっとも、俺の住んでいた世界とは違う、平行世界の日本から召喚された可能性は有りますけど。
その理由については、平行世界とは、それこそ可能性の数だけ無限に存在している物です。つまり、同じような世界で有ったとしても、確実に俺と同じ世界出身とは言えないと思いますから。
例えば、歴史上のターニング・ポイントで別ルートに分かれた平行世界が存在するのと同じレベルで、朝出がけに歩み始めたのが、右足か、左足かで分かれる平行世界が存在して居るはずですから。
「良かった、話が通じる相手が居てくれた」
ルイズを相手にかみ合わないやり取りを繰り広げていた少年が、俺の登場によって、ようやく安心したかのような雰囲気でそう言った。
もっとも、これは当然の反応でしょう。旅行先の外国。言葉が通じない場所で迷子に成った経験が有る人ならば納得出来ると思いますし。周りが全て外人で、言葉がまったく通じない場所にいきなり放り出された人間としたら、心細くなって当然です。まして、彼の場合は爆心地……むき出しの地面の上に仰向けになった状態で空を見上げていたのですから。
それに、俺自身も黒の詰襟の学生服とズボン。当然のように、黒、と言うか、濃い茶色の瞳と黒髪ですから、見た目も、そして雰囲気もどう考えても日本の男子高校生です。
中身の部分に、普通と表現するには、かなりの疑問点が存在しては居るのは確かなのですが。
それで、俺の顔の事は……十人並みで、取り立てて美形と言う訳でも無く、そうかと言って非常に味が有る、と言う訳でもないし、目立った傷が有る訳でも無い、ごく普通の東洋人的な顔立ちです。
地球世界の友人たちからは、絵にし辛い顔、と表現された事は有りましたね。デフォルメしても、写実的に表わしても、イマイチ特徴に欠けるらしいです。
目に力が有ると好意的に言われた事は有りますが、これは単に、裸眼視力が悪いのにメガネもコンタクトも使用していないから、相手の顔を判別する為に少し目に力を入れている事が多いだけですから、そんなに良い意味での表現では有りませんしね。
まぁ、日本人相手には、そう警戒される顔立ちでない事だけは確かですか。
「彼も、あんたと同じ国の出身なの?」
ルイズもその少年と同じように、俺の方を向いてそう話し掛けて来た。
但し、彼女の方は、妙にキラキラとしたとび色の瞳で俺の方を見つめています。
こちらは、召喚された少年の方とは違い、妙に大きな期待を感じる事が出来たのですが……。
確かに俺と同じ能力を有していたら、この世界ではかなり優秀な使い魔と成る事は間違いないでしょう。魔法の才能ゼロ……と言う風に揶揄されていたルイズの方からしてみたら、期待を持っても当然です。
「
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