第1章 やって来ました剣と魔法の世界
第5話 二人目の日本人
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「あんた誰?」
先ほどよりも更に深くなった爆心地に、仰向けになって転がっている青いパーカーとジーンズ姿の少年。
そして、その少年を覗き込むようにして、そう話し掛けている爆発魔法の使い手ルイズ。
……って、青いパーカー? それにジーンズ?
いや、それ以上に問題なのは、本日二人目の人間が召喚されて居る事実の方でしょう。
「ここは何処?」
その仰向けになった少年の口から、懐かしい母国語が飛び出す。但し、少し、呆然とした雰囲気が有りますが。
……と言うか、実際は、俺がこの世界に来てから二時間も経っていないのでしょうけど。
それに、召喚された場所が爆心地では、多少成りとも呆然としていたとしても不思議では有りませんか。おそらく小爆発により発生した土埃を、彼が吸い込んでいるのは間違いないでしょうから。
「タバサ、あの少年。……召喚された少年のトコロに行きたいんやけど、構わないか」
逸る気持ちを押さえて、先ずはタバサに対してそう断りを入れて置く俺。
それに、彼女の許可は必要だと思いますから。まして、彼が同胞ならば使い魔契約を交わす前に、彼の方の意志を確認する必要が有ります。
何故ならば、どう考えても俺のように通訳用の式神を連れた式神使いが、偶然にもふたり連続で召喚されるとは思えませんから。
もっとも、ランダム召喚とは言え、召喚魔法に引っ掛かったのですから、それなりの能力を持っている可能性が高いとは思いますけどね。
あの青いパーカー姿の少年に関しても。
俺の方を少し見つめてから、軽くひとつ首肯くタバサ。少なくとも、否定的な雰囲気は感じないのですが、興味も余りないみたいな感じでは有りますね。
……確かに、本日二人目の召喚された人間ですから、多少、インパクトには欠けるのは仕方がないとは思いますが。
但し、俺に取っては相手が同じ日本人で、同年代の少年ならば問題は大きい。
先ほどとは違い、少し慌てた様子で更に足場の悪くなった地面を走り抜け、上半身だけ起こしてルイズを見つめている少年の方に駆け寄る俺。
そして、
「すみません。契約に関しては、ちょっと待ってくれませんか、ヴァリエール嬢。それに、コルベール先生」
……と、少し大きな声でちょっと待ったコールを行う。
もっとも、俺と言う前例が有るので、今回は即座に使い魔契約を行おうとするようなマネを為す事は無かったのですが。
「シノブくん。彼も、君と同じ東方の出身なのかね?」
即座に状況を理解したコルベール先生が、俺に対してそう聞いて来る。
この先生は、割と柔軟な思考を持っているみたいですね。おそらく、優秀な魔法使いなのだと思います。
「判りませんが、先ほど発した言葉は、間違いなく私
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