第二幕その四
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「ひいてはお肌の色だってね」
「何でもないものだね」
「そうよ、お肌の色でその人の性格が決まるのかしら」
「決まらないよ」
ジョージはすぐに答えました。
「そんなものは」
「そうよね」
「性格はその人次第だよ」
「努力でよくなるわね」
「そうなるよ」
「品性とかもよね。あたしは品性は気にしたことないけれど」
それでもというのです。
「オズマはね」
「とても上品だね」
「そうでしょ、その人次第なのよ」
「品性も」
「お肌の色でなんか」
それこそというのです。
「全くね」
「決まらないね」
「その人を決めるのはね」
「その人の性格だね」
「努力次第でよくなるね、生まれでもね」
それでもというのです。
「決まらないのよ」
「その通りだね」
「それが分からないと」
さもないと、というのです。
「間違えるわね」
「その通りだね」
「僕の身体なんかブリキだよ」
笑顔で言った樵でした。
「色なんてね」
「とてもですね」
「関係ないですね」
「それも全く」
「そうですよね」
「それこそ」
「そうだよ、けれどね」
ジョージ達五人にそれでもとお話します。
「この通りだよ」
「何も不自由していなくて」
「むしろいいって思われてますね」
「ブリキの身体で」
「食べることも飲むことも必要なくて」
「眠ることも休むこともしなくていいから」
「とても満足しているよ」
そうだというのです。
「不満なんて何もないよ、そしてこの身体の色がどうなっても」
「樵さんは樵さんですね」
「銀色でなくなっても」
「それでもですね」
「変わりないですね」
「そうですね」
「そうだよ、僕は僕だよ」
本当に全く変わらないというのです。
「勿論人間の身体でもね」
「樵君は元は普通の身体だったんだよね」
臆病ライオンがこのことをお話しました。
「そうだったんだよね」
「うん、それがなんだよね」
トトも言います。
「東の魔女のせいでね」
「身体がどんどん斧で切られて」
「その都度ブリキの身体に変えてもらって」
「遂にはだね」
「完全にブリキの身体になって」
「今に至るね」
「そうだよ、そしてそうなってもね」
樵は臆病ライオンとトトにも応えました。
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