閑話 月の戦乙女達@
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そうやって東洋のとある基地でおそらくジャンク屋連合からの横流しの中古ジンに載せられていたのが彼女達である。
まあ罪状が横流し品による無許可の戦闘行為だ。
当然、アズラエルはブチ切れた。
まあ、しかも機体そのものは横流し品でも、銃弾や武器そのものはガンダムの予備からパクってたからね。立派な支給品横領の罪もつく。
手錠を掛けられた彼女達を前に、青筋を立てて切れているアズラエルが事情を話した上で…‥
「ジョンがいらないなら決死隊にでも志願させるけど」
という言葉に、全員揃って
「「「私が志願するので他の皆助けてあげてください!」」」
というのを見せられて、見捨てられる人はいるのか、いやいないでしょ、である。
そっからは大変だった。
なんせスタートがメンタル最底値のギャルゲーだ。罰ゲームかよ(本音)
一人ひとり話を聞き、励まし、宥め、好きなこと、趣味を聞き……
前職がホストなのも功を奏したのか、もはや飯と寝るとき以外はずっと君たちの事考えてるよというくらいベッタリケアしたので立ち直ってはくれたが、よほど前の基地の上層部にトカゲの尻尾切りされたのがトラウマなのか、俺の対応が不味かったのか、好意で転属を仄めかすと刃物持ち出してくる病み具合になるとは欠片も思いませんでした。(大本営発表)
「あの……ジョン大佐、私達全勤で働いたので2日間非番なんです!少し夜にお話したいなあ、なんて」
おずおずと予定を聞いてくるユウナ。ありがとう、最初は皆死んじゃえ、とか言いながらミットを殴ってたのが嘘みたいだよ!心配だから予定開けるね。
「私も、ユウナちゃんの後で良いので話を……」
そんな、ミモリくんも遠慮しなくていいよ。仲良いキッチン担当が早めに包丁一振り行方不明な事教えてくれなかったら、自分のお腹裂こうとしてたでしょ。絶対油断しないから。
「大丈夫、部下のメンタルケアも仕事だから、必ず予定空けるからね!」
そういって必死で電子スケジュール表を整理するジョンに、ふふ、と邪気のない笑みを浮かべながら、聞こえないほど小さな声でイヴは呟いた。
「そうやって馬鹿みたいに不幸な人を放っておけずに背負うから、皆貴方に思慕の念を抱いちゃうの、貴方気づいてないでしょ」
そう呟いて、イヴはそっとジョンの背中を指でツンツンと突ついた。
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