第二章
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家に帰ってだ、妻の真央太いゲジゲジの様な眉に二重のはっきりした目に大きめの唇と形のいい顎とすこしふっくらした頬、ショートにした黒髪に一五九位の背の胸の起きな彼女に意外という顔で言われた。
「今年はチョコにしてくれたの」
「それでホワイトデーだから」
それでというのだ。
「ホワイトチョコにしたんだ」
「そうなのね」
「お返し買いにスーパーに入ったら」
そうすればというのだ。
「丁度チョコが目に入ったんだ」
「ホワイトチョコが」
「それでこれにしたんだ」
「マシュマロとかキャンディじゃなくて」
「そうしたんだ、どうかな」
「いいわ。チョコにはチョコで」
真央はにこりと笑って応えた。
「ホワイトデーだからホワイトで」
「いいんだ」
「ええ、嬉しいわ」
夫に笑顔で応えた。
「それじゃあ有り難くね」
「チョコ受取ってくれるんだ」
「そして頂くわ」
こう言ってそのチョコを食べて笑顔で美味しいと言った、そしてだった。
この日も夫婦仲はよかった、榛村は後日屋敷からその話を聞いて言った。
「それもありだね」
「ホワイトチョコもですね」
「うん、バレンタインにチョコを貰って」
「チョコで返すのは」
「それもホワイトデーだからホワイトチョコでもね」
「いいですね」
「うん、だからね」
それでというのだ。
「今度私もやってみると」
「そうされますか」
「来年ね、オーソドックスでないとしても」
ホワイトデーのお返しとしてはというのだ。
「ありだね、そしてそれで夫婦仲がよくなるなら」
「それでよしですね」
「私が言うジャスティスだよ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そうなりますね」
「うん、だから今度は私もしてみるし」
「僕がしてもいいですね」
「それで夫婦仲がよくならね」
それならと言ってそうしてだった。
屋敷だけでなく榛村も次のホワイトデーにはホワイトチョコを妻に贈った、そうしてそれぞれの夫婦仲はよりよくなったのだった。
ホワイトデーのチョコ 完
2025・3・18
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