第二章
[8]前話
その日彼は半蔵に好きなことを話した、彼はおおむね聞いているだけだったがそれは違うと考えていた。
だがこの時はこれで終わり橘は風俗店に行った、その後で。
彼は橘が暮らしていたタワーマンションの同じ階の悪質なジャーナリストが起こした火事に巻き込まれて自分の部屋が全焼しそこにあった動画関連の設備まで全て燃えたと聞いた、そのうえで妻に話した。
「火災保険入っていなくて」
「お金は入らないで」
「他の保険も入っていなかったけれど」
家で妻に話した。
「それで大損したらしいよ」
「そうなのね」
「しかもね」
夫はさらに話した。
「これまでしたことが問題になって」
「迷惑系だったから」
「何件も訴えられてね」
「大変なのね」
「そうなっているらしいよ」
「弱り目に祟り目ね」
「そうだね、訴えられるのは自業自得でも」
それでもというのだ。
「けれどね」
「火事のことはね」
「ちゃんと保険に入っていたら」
「火事に遭っても損はしなかったわね」
「設備も何も失って大火傷まで負って」
「入院してるのね」
「そうなったけれど」
それでもというのだ。
「怪我の方もね」
「保険に入っていなかったから」
「もうね」
それこそというのだ。
「動画の設備もなくなって」
「ユーチューバーなのに」
「何もかもなくなって」
「大変なことになってるのね」
「そうだよ、せめて火災保険に入っていたら」
半蔵は深く考える顔で話した。
「怪我のことも含めて」
「不幸中の幸いとなったわね」
「その筈がね」
それがというのだ。
「そんな顛末だよ」
「何もかもなくなってしかも訴えられる」
「そうしたね」
「最悪の結末ね」
「そうなったよ、やっぱり保険はね」
「入った方がいいわね」
「世の中何があるかわからないからね」
こう言うのだった、そしてそれからも二人で必要と思った保険には入って入った保険もよりいいものはないかと調べもしていった、そうして暮らしていってだ。
二人は安心して暮らせた、生きていて何かあるのが人生だがその都度保険に助けられた。その都度入っていてよかったと思ったのだった。
火災保険には入れ 完
2025・3・17
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