第二章
[8]前話
「いいな」
「私も嫌われるの嫌だしやってみるわ」
珠緒はそれでと答えた、そしてだった。
実際に人に勉強を教えたりクラスの仕事を手伝ってもそれは相手が出来た頑張ったと言った、進んで人を助けもした。すると。
「明智いい奴だな」
「誰にも優しくて立ててくれて」
「あんないい娘いないわ」
「恩に着るよ」
こう話してだった。
彼女を好いて慕う様になった、それで学生生活は人気者として心地よく過ごすことが出来て家の会社に就職してもだった。
そうしているとだ、ごく自然に。
「何かあったら言って下さい」
「俺達がやります」
「頑張ります」
「会社の為に」
「会社の業績凄く伸びてない?」
「そうだよな」
兄でやはり家の会社で働いている義貞も言った、彼は父親そっくりの外見だ。
「俺達が入ってから」
「そうなっているわね」
「皆頑張ってくれて」
「取引先も便宜計ってくれて」
「そうだ、人の為に汗をかいて手柄を譲るとな」
そうすればとだ、二人に父が話した。
「評判もよくなる、徳も備わるんだ」
「人に感謝されて恩義を感じてもらって」
「それでなんだ」
「そしていいことを行うからな」
それでというのだ。
「徳も備わる、徳は一番大事だ」
「人間にとって」
「会社にとってもか」
「お前中学の時に話した奴いたな」
父は珠緒に問うた。
「自分のことしか考えないで底意地の悪い」
「ああ、あいつね」
「嫌われているっていうな」
「あいつ今就職先なくてニートになって家からも追い出されてよ」
「行方知れずか」
「徹底的に嫌われてね」
その結果というのだ。
「誰からも相手にされなくなってね」
「そうなるんだ、会社を経営するにも生きるにもな」
「人の為に汗をかいて手柄を譲る」
「そうするのが一番だ、そうしたらな」
「かえっていいのね」
「そうだ。わかったな」
「ええ、よくね」
「わかったよ」
珠緒だけでなく義貞も言った、そして二人はそれからもそうして生きていった。すると兄が社長妹が副社長になった時会社はさらによくなっていた。それで二人もそれぞれの子供達にその様に生きろと教育しその様にさせていき会社は末永く栄えたのだった。
手柄を人に譲ると 完
2025・3・15
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