第一章
[2]次話
手柄を人に譲ると
「汗は人の為にかいて」
「手柄は人に譲れだ」
県内でそこそこの会社を経営している明智俊三は中学三年の娘の珠緒に話した、俊三は細面で皺が多い色黒の細い目の痩せた中背の初老の男で珠緒は丸い顔で二重のはっきりした目で黒髪を短くしている。唇は大きく赤く背は一五五位でスタイルはかなりいい。
「そうするといいんだ」
「クラスに自分さえよかったらいいっていう男子いるけれど」
「そいつの評判どうだ」
「物凄く底意地悪いし偉そうでその癖サボリ魔で成績も凄く悪くて口も悪いから」
「嫌われているな」
「陰で死ねばいいって言われてるわ」
「そんなものだ」
父は素っ気なく言った。
「だからお前はな」
「流石にこいつ程屑じゃないと思うわ」
「そこからさらによくなれ」
こう娘に言った。
「義貞にも言ってるがな」
「お兄ちゃんにも」
「そうだ、そうした考えでな」
「手柄は人に譲れ」
「そうしていけ」
「そうしたらいいのね」
「間違っても今言った奴みたいなことはするな」
絶対にというのだ。
「そのうちえらい目に遭うぞ」
「嫌われるだけでなく」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「いいな」
「汗は人の為にかいて」
「手柄は譲れ、手伝ったりしてもな」
その人をというのだ。
「その人が頑張ってって言うんだ」
「自分が手伝ったとか言わずに」
「助けたとかな、あと自分一人でやっても絶対に誰か関わってるんだ」
それでというのだ。
「その時もな」
「かかわった人になのね」
「その人のお陰って言うんだ」
「そうしたらいいのね」
「ああ、それで人の為に汗をかくんだ」
「手伝え助けろってことね」
「そうしたら会社はよくなるしな」
経営しているそれはというのだ。
「お前達の評判もよくなる」
「評判はいいに越したことはないわね」
「そうだ、それはやっていけばわかるからな」
今言ったことをというのだ。
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