Chapter.001 エピローグからのプロローグ
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うと思っていたよ」
「そうですわね、これだけバカ正直な方、そうそういっらっしゃいませんものね」
螢一は意を唱えた。
「違う、そうじゃないよ。ベルダンディーと二人だから乗り越えられたんだ」
「確かに……試練は人と女神双方のためのもの、って、いきなり惚気けないでくださいます!?」
真っ赤になるペイオースに「別に惚気けたわけじゃ」と螢一。
「して、結婚式はあげたんですの?」
「いえ、それはまだです。神属が足りていなかったので」
「ああ、そうでしたわね。たしか式には女神四名と二人の証人を必要とします」
こうして、ウルド、スクルド、ペイオース、リンドの四名の女神と、魔属のヒルドとマーラー(実は気絶していて、ヒルドの魔力で強制的に立たされている)を証人として人と女神の結婚式が執り行われた。
かくて物語は冒頭に戻る。
黄金の法術陣の上で中央の二人を囲み集う女神たち。証人の魔属。
「光ふりそそぎ風そよぐ 緑たなびき彩り豊かな空に進む道」
「道は遠く 時に底深き谷 雨の降る朝も 雷鳴吠ゆる夜も共にゆこう」
「癒やしの木々もその道標となり 木の葉が誘う 見つめるは高き風 強き花」
「進め歩め 決して止まらぬその旅路 昴のままに 熱き言の葉のままに」
「すべては花散る時まで すべては異なる時まで」
「花と鳥と風と月と ここに集え ここに歌え 祝いの意志がある者よ」
「結ばれし愛と絆に」
「祝福を」
二人の上空で祝いの花火が広がった。それは絶え間のない流星のごとく。
「螢一さん」
「え?」
「実はあの初めて会った時の言葉」
「ああ、あれか」
「それって女神へのプロポーズの言葉だったんですよ」
「え……ええっ!!」
「だから螢一さん、もう一回改めて聞きたいです」
微笑む女神。
「うん」
螢一は二人にとってのはじまりの言葉を、今では誓いとなる言葉を口にした。
「君のような女神にずっとそばにいて欲しい」
これでめでたしめでたしね、と視線を合わせる、ウルドとヒルド。
ヒルドは自分の顎に手を当てて。
「でも、なんか物足りないのよねぇ」
「あたしも足りない気がする」
同調するウルド。
「あっ、そうだ!!」
「そうよ!!」
互いに指を差し合う。
「結婚式の新郎新婦といえば」
「誓いのキスよね」
ええっ!!
真っ赤になる螢一。
ベルダンディーが困惑した表情で。
「あの……私たち「誓いのキス」は既にすませているんですが」
ウルドは頬を人差し指で掻いた。
「まったく、あんたってば。硬いというのか融通がきかないっていうか」
「?」
「……言ってみれば「余興」と表現すればいいかしら。魔界でのおふざけは怒られたけど、人前とはいえ螢一とキスできるんだし、これは流石に拒否しないわ
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