Chapter.001 エピローグからのプロローグ
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「普通のバイク」が失われては、ここでリタイアとなってしまうではないか。
「え!? いや、あの、こ、困ります!俺の、普通のを返して下さい!!」
「まあ、なんと無欲な。本当にいいのですか?」
「はい是非とも」
「では代わりに別のことでサービスしましょうか」
湖の女神は腕を一振りした。
「では戻しますね。しゃられら〜」
ポン、と音がしそうな勢いで螢一のバイクは復活した。
「どうでしょう」
「おお、これこれ!」
ティールが騒いでいる。
「あら、なんです?」
「おまえ……どうやって……出た」
螢一とベルダンディーも同じ質問をする。
「それはね、私が絶望から開放されたから。聞こえていたのよ、あなた達の声──あの絶望の淵で見えた姿」
湖の女神はベルダンディーを見て。
「あなただったのね。だから分かった。彼の思いは、願いは私が消えることじゃなかった。彼を語り継ぐこと、それが私の取るべき選択」
「待て待て!封印が解けたのはいいとして、あの湖に縛られた湖の女神が、どうやってここに来たんだ!?」
「どうやってもなにも……」
湖の女神は封印の中で、長い年月をかけ己の選択の力を磨いていた。自らの道をも選択できるように。
「どんな場所でも選択した場所に湖ごと出現できるように」
ティールは驚いて禁断の言葉を口にしてしまった。
「そんなばかな!」
「あ……」
「言った……」
「え?」
「ばかなって」
ムキになるティール。
「言ったかもしれないが!! それは湖の女神のことであって、螢一くんに向けたものではないぞ!!」
螢一はひき気味に。
「やっぱり走らないとだめですか」
「当然だ……では三回目、ラストステージだ」
待って下さいと湖の女神からストップがかかる。
「まだ正直者へのご褒美をあげてなくて──」
「ああ、いいけど。パワーアップでもするのか?」
「いえいえー♪」
──それは湖水の選択 あるいは蒼き陽光──
湖の女神はティールの作り出した奈落のコースを、緑あふれる豊穣な大地へと変えた。
「コースは変えてませんよ」
変えてなくてもこれでは奇跡にはならない。主神命令である。すぐにもとに戻せ。
「いやです。第一にこれも彼が正直であったゆえの出来事であり、正当な業務です」
「む……」
「第二にあなたは主神とおっしゃいますが、明らかにゲートですよね」
「これは……訳あってハッキングしているのだ。主神であることには間違いない」
「では、左手の平の主神の証を見せて下さい」
「う……無理」
「ならば、あなたを主神とは認められません」
わかったよ!! 業務に励みたまえ!! いじけて背中を向け座り込んだ。
「螢一さん、走ってきて。今度は楽しんで」
「はい……」
螢一は忘れてはいけな
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