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拝啓、あしながおじさん。 〜令和日本のジュディ・アボットより〜
第3章 高校3年生
仲直りと初めての挫折
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ばよかったかな。珠莉ちゃんなら何か的確なアドバイスをくれたかも)

 愛美にとっていちばん身近なセレブが珠莉である。彼女に最初の読者になってもらえば、「ここがよくない」とか「ここはこういう書き方の方がいい」とか助言してもらえて、もっといい作品になったはず。そうすればボツを食らうこともなかったかもしれない。

(……まあ、たられば′セいだしたらキリがないし、もう終わったことだからどうしようもないんだけど)

 済んでしまったことを悔やむより、前に進むことを考えなければ。

「次回作……、どうしようかな」

 寮への帰り道、悩みながら歩いていた愛美の頭を不意によぎったのは、彼女が中学卒業まで育ってきた()()()()のことだった。
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