第十一幕その八
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「先生、見て」
「お空見て」
「お日様の方を」
「凄いよ」
「素晴らしいものが見えるよ」
「あっ、これは」
先生が皆に言われてお空の方を見るとでした。
お日様の方に虹がありました、それも一つではなく。
「二重にあるね」
「そうだね」
「一つだけでも奇麗なのに」
「二つあるなんて余計にいいね」
「そして縁起がいいね」
「二つもあるなんて」
「虹は縁起がいいとね」
その様にというのです。
「殆どの国で言われているね」
「そうなんだよね」
「日本でもイギリスでもね」
「そして他の国でもね」
「どの国でも言われているね」
「虹は縁起がいいってね」
「そう言われていてね」
それでというのです。
「二重ならね」
「尚更だよね」
「本当にいいよね」
「これは何かいいことがあるかな」
「二重の虹が出たということは」
「うん、きっとね」
まさにというのです。
「あるよ、そしてそれは」
「中尉の生まれ変わりの人と蝶々さんの生まれ変わりの人」
「若しお二人がそれぞれそうなら」
「その時はだね」
「巡り会って」
「そしてね」
そのうえでというのです。
「幸せになれるね」
「その知らせかな」
「二重の虹は」
「そうなのかしら」
「そうかもね、若しそうなら」
先生は二重の虹を見上げたまま笑顔でお話しました。
「凄くね」
「いいことだね」
「お二人が今度は幸せになる」
「そうなるんだから」
「そう思うよ」
皆に言うのでした。
「いい虹だよ」
「全くだね」
「僕達もいいものが見られたね」
「それじゃあね」
「この嬉しい気持ちを胸にね」
「神戸に帰ろうね」
「そうしようね」
笑顔で言いました、そしてです。
駅に入ってそこからです。
神戸への鉄道での帰路につきました、新幹線に乗って神戸まであっという間に向かいます。その新幹線の中で。
皆は先生にです、一緒に駅弁を食べつつ言いました。
「あの二重の虹がね」
「先生にも幸せをくれるなら」
「最高だよね」
「お二人だけでなくね」
「ははは、それを言うと返事は決まっているよ」
先生は長崎の駅弁を食べつつ皆に笑って応えました。
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