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次の土曜日に、おばあさんの畑に行って、芋堀の最後を掘り返して耕す手伝いをしていた。終わった後、石油缶の蓋をくり抜いたものに薪をくべて、さっき掘り出した小さなものをアルミに包んで焼いて食べながら
「ねぇ おばぁさん 庄爺とは同級生だったって聞いたけど どんな人だったの?」
「そうさなぁー 小学校の時な ウチの亡くなった爺さんと3人が そうじゃった 庄一郎はな 昔から、家がこの辺りの土地を持っていてな 金持ちの家だった だから、あやつは中学を出てもまともに働かず ぶらぶらしとった 若いうちから車を乗り回してな、女遊びだけは盛んでぇー 木之本、長浜とか敦賀まで女の子を引っかけに行っとったらしい まぁ 女ったらしじゃー」
「へぇー プレイボーイだったんだ 今でも?」
「さあ どうだかな でも50過ぎまで、独りもんだった そりゃー あやつは遊び人だっていう評判がみんな知っとったから、嫁に来るもんなんておりゃーせんがなー だけどな、八田部の農家の娘を探してきょってな おそらく、金で買ったようなもんだろうって、皆が言っておった。その人は もう40に近かったかのぉー でもな その後は、二人で畑仕事とかをやって、あやつも落ち着いたかなって みんなで話しとったんじゃー よく働く嫁さんでなー 良かった良かったと思っちょたんじゃが、それから7年後に突然 逝ってしもーてな 昔から白血病の気があったみたいなんだな。それから、あやつは、時々、釣りに行く程度であんまり人前には出なくなった。ちょくちょくは、村の嫁さん達にちょっかい出して、金を見せて誘っているらしいってことは聞くがなー 本当のことはわからん 子供もおらんしー まぁ 昔から女好きじゃったからなー」
「はぁ そんな人なんだー」
「すぐりちゃんも あんまり近づくような奴じゃぁないって 紗栄子さんもな まぁ 大家さんなんで、しょうがないんだろうけど・・・あんまり 構うのもなぁー もっとも あやつも もう歳とったんでー あっちのほうも役にたたんじゃろーけどー」
「あっち って? 役にたたん?」
「あっ いや すぐりちゃんは まだ、知らんでええことじゃー この焼いたの持って帰って 紗栄子さんにも 食べさせてあげりぃーやー ウチにも娘がの 京都におってな その子の娘がちょうど紗栄子さんと同じような歳なんじゃ やっぱりすぐりちゃんと同じ年頃かなぁー だからひ孫になる子もおる だけど、この辺りは遊ぶとこも無く つまらんじゃろぉー? 年寄のとこには寄り付きもせんのじゃー」
「へぇー 川あそびなんか面白いんやけどなー 沢ガニとかイワナ捕まえるとか・・・」
「まぁ 今の 町中の子供は、そんなことには興味無いんだよ 気持ち悪がって 川なんかに入るもんかねー 琵琶湖で泳ぐんでさえ、嫌がるんだよ
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